社内の「逸脱者」から成功事例を探すべき理由

「戦略的思考・ロジカルシンキング」の弊害

西欧由来の文明や思想でなく、慣れ親しんできた「論語」を経営の基軸にした渋沢栄一(写真:Taisuke/PIXTA)
維新後の日本で500余りの会社を設立して経済基盤を築いた渋沢栄一にも、営業不振にあえぐ会社で好成績を上げる営業担当者にも共通することは、問題解決の糸口を外部ではなく、身近なところから探す、ポジティブ・デビアンス(PD:いい意味での逸脱者)だ。このPDアプローチはOODAループと親和性が高いという、『OODA LOOP』を翻訳・解説した神戸大学大学院の原田勉教授が、ビジネスにどう役立つのか? OODAループとどう関係するのかについて解き明かす。

問題解決を論語に求めた渋沢栄一

世の中には追い求めれば求めるほど、かえって得られなくなるものがあります。恋愛もそうかもしれません。もちろん、積極的にアピールすることでうまくいく場合もあるでしょう。

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しかし、それは早い段階で相手の心の琴線に触れることができたからです。しかし、そうでない場合、あまり最初から攻めすぎると逆効果になります。

意外かもしれませんが、売り上げもこのような性質があります。かつて業績不振に陥った百貨店が営業方法を抜本的に見直すことで売り上げが倍増したという例がありました。その新しい方針は、顧客に決して売ろうとしてはいけないということです。

そうではなく顧客の問題解決に協力することを方針としました。極端な例では、顧客の求めている商品が自店になければ、隣のライバル店に同行して一緒に探すことまでしたのです。

ターゲットとするものを得るために、あえてそれを求めないこと。これを経営方針にした最初の経営者が渋沢栄一です。渋沢は相手をだまし、悪行を重ねることで暴利を得ている経営者に辟易していました。明治の時代は、まだ資本主義が始まったばかりであり、商人イコール悪徳商人というイメージが強く、また実際にそのような場面も多かったのでしょう。

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