アーモンドアイ「凱旋門賞回避」の残念な事情 ダービーの翌週、安田記念が今季国内初戦に

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筆者は以前、当コラムで「日本馬は凱旋門賞にこだわるな」というテーマで記したことがある。「マカヒキ14着、日本は凱旋門賞にこだわるな」(2016年10月3日配信)。馬場適性なども含めた適材適所でレースを選択するべきだ。凱旋門賞だけが海外のレースではない。

その意味では牝系に欧州のスタミナ血統を持つディープインパクト産駒のフィエールマンや、キングジョージを圧勝したハービンジャー産駒のブラストワンピースがロンシャンの馬場に向くというイメージは理にかなった選択だと思う。

ただ、何かすっきりしないもやもやとした気持ちがある。おそらくファンもそうだろう。凱旋門賞と同じ2400mのジャパンCで圧倒的な強さで世界レコードをマークした馬がなぜ挑戦しないのか。単純にその疑問がある。

結果的にそこへの明確な理由がはっきりとわからない。それはなぜか。説明不足だ。アーモンドアイの凱旋門賞登録見送りについて公式な発表がシルク・ホースクラブのHPだけだったということが影響している。やはり関係者が記者会見をすべきだったのではないか。

凱旋門賞の見送りを決めたのはドバイターフの前?

実は取材を重ねていくと、アーモンドアイが凱旋門賞に行かないということはドバイターフの前から既定路線だったらしいという説にぶつかる。ノーザンファームやシルクレーシングの関係者がきちんと記者会見してくれれば、我々も公式にアーモンドアイがいつ凱旋門賞の登録見送りを決めたのかということを聞くことができた。少なくともプレスリリースをしてほしかったと思う。

昨今、クラブ法人の所有馬の動向が「○○のホームページで明らかになった」というニュースを目にすることが多い。やはり会員向けの情報と並行して一般のファンにもわかるようにプレスリリースをしてほしいと思う。アーモンドアイの動向は会員だけではなく、競馬ファンが最も関心を持って見ているからだ。ファンに向けての説明責任もあったのではないだろうか。

ドバイターフ前に凱旋門賞に行かないということを決めていたのなら、ドバイターフ前後に国枝調教師とルメール騎手が国内外のメディアに凱旋門賞に参戦するという方向で答えていたのは気の毒という以外にない。早い段階で知らされていれば違った対応があったはずだ。

凱旋門賞登録見送りの後で国枝調教師とじっくりお話しさせていただく機会があった。国枝調教師はドバイでの楽しい思い出を語ってくれた。追い切りでルメール騎手のヘルメットにカメラを装着して追い切りの動画を撮影したこと、エネイブルのゴスデン調教師と写真撮影したことなどを満面に笑みを浮かべて説明してくれた。

「アーモンドアイがいなければドバイにも行けなかった。国内ではできないような経験もいろいろな出会いもすべてアーモンドアイのおかげ。アーモンドアイはみんなを幸せにする馬だよ」。

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