新元号「令和」となって中央競馬は春のGⅠシーズンを迎えている。クラシックシーズンは佳境に入った。5月26日には令和初となる競馬の祭典GⅠ第86回日本ダービー(2400m芝)が東京競馬場で行われる。新しい元号の初代ダービー馬はどの馬になるのだろうか。
平成の最後に我々は意外なニュースに直面した。今季初戦のGⅠドバイターフを楽勝し海外GⅠを初制覇したアーモンドアイ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)が4月17日にシルク・ホースクラブのHPを通じてフランスのGⅠ凱旋門賞(10月6日)への登録を見送ることを明らかにしたのだ。
JRAは5月16日、凱旋門賞に日本馬7頭が登録したことを発表した。そこにはもちろんアーモンドアイの名前はなかった。
凱旋門賞には史上11頭目の無敗のダービー制覇、7頭目の無敗の2冠制覇を狙うサートゥルナーリア(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)、昨年の菊花賞と今年の天皇賞・春の3000m以上のGⅠを連勝したフィエールマン(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)、昨年の有馬記念を制したブラストワンピース(牡4、美浦・大竹正博厩舎)、一昨年の菊花賞馬で昨年のジャパンC2着馬キセキ(牡5、栗東・角居勝彦厩舎)のGⅠ馬4頭とリオンリオン(牡3、栗東・松永幹夫厩舎)、ロジャーバローズ(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)、ノーワン(牝3、栗東・笹田和秀厩舎)が登録した。
アーモンドアイの今季初戦は世界中から注目を集めた
アーモンドアイは昨年、桜花賞、オークス、秋華賞を次元の違う強さで制して史上5頭目の3冠牝馬となり、ジャパンCも驚異的な世界レコードで圧勝した。最優秀3歳牝馬に満票で選出され、年度代表馬も満票で選ばれた。今季初戦に陣営が選んだのは3月30日にドバイ・メイダン競馬場で行われたGⅠドバイターフ(1800m芝)。
日本国内だけでなく、アーモンドアイが世界でベールを脱ぐレースとして海外からも大きな注目を集めた。海外メディアからの取材攻勢にも国枝栄調教師(63)は流暢な英語を駆使してウイットに富んだ受け答えで余裕の表情を見せた。クリストフ・ルメール騎手(39)も「ボウマンのウィンクス、スミスのゼニヤッタのように、自分にとってアーモンドアイは騎手人生で特別な馬になる」と語った。
ジャパンC後からさらにたくましさを増したアーモンドアイはノーザンファーム天栄でじっくり調整され、2月22日に美浦トレセンに戻った。遠征に備えて馬体を増やしたのは航空機輸送や現地での環境の変化で馬体減があった時のためのリスク管理だった。美浦の輸出検疫でナーバスになって馬体を減らしたが、輸送を克服するとドバイ入り後は持ち直し馬体も回復。広い馬房で伸び伸びと過ごし、湿気の少ない気候も合った。
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