ソニーとMSがゲームで協業せざるをえない背景 元スクエニ社長が展望する5Gの新世代ゲーム
――その際、ゲームソフトの開発会社が意識すべき点は何でしょうか?
編集を担当するキュレーターの存在だ。ノンプレイヤーもゲームを楽しむためには、視聴者の嗜好に合わせてカメラのアングルを調節したり、最適なCMを流したりする役割が必要になってくる。例を挙げるとしたら、ライブ配信サービスの「SHOWROOM」が近いだろう。
ガラガラポンの戦いが始まる
クラウドゲームに適しているのは、同じ難易度のもとで大勢が競い合うものだ。「自分がすごい」ではなく、「みんなの中の自分がすごい」という自己実現は、感情を昇華させる方向が、従来のゲームデザインとは違う。従来の家庭用ゲームは、それぞれのプレイヤーが楽しめる形に最適化するのが主流になっているのと比べて正反対だ。
ソフトメーカーよりむしろ、ソーシャルメディアが得意としてきたことであって、両者が横連携すれば、一気に「クラウド2.0」時代のコンテンツが出てくる。開発環境が整ってくれば、会社の規模や過去の実績とは関係ないガラガラポンの戦いがスタートする。
――和田さん自身は、クラウドゲームを盛り上げていくためのコミュニティ作りを進めています。
所属や利害に関係なく、「この指とまれ」でやりたい人が参加できる開放的なコミュニティを作りたいと思い、啓発のために講演などをしている。会社を立ち上げるというよりは、IT系の人とゲーム系の人が交流できるような、あえてゆるやかな組織にしたい。すでに、「やりましょう」という声はジャンジャン来ている。
実は、大企業のゲーム開発者と話をすると、「(クラウドゲームの開発を)やりたいんですけど、予算が通らないんですよね」という話ばかり聞く。組織の中で孤独な彼らが横でつながれば、及び腰の企業へのレジスタンス(抵抗勢力)にもなる。
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