4人の当事者が語る「不登校時に困惑したこと」 周囲の「よかれ」が心底つらいこともある

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行く・行かないで親とモメる

私の親は学校に行かなくなってからも、適応指導教室、フリースクール、学習塾などいろんな場所を私に勧めてきました。

「学校へ行けないのはしょうがないけど、どうにかしてほかの場所へ行ってほしい」と思っていたようです。親も不登校を認めていいのか葛藤していたのだと思います。

私はどこにも行きたくなく、家でずっとゲームをしているのが一番落ち着けたのですが、それが許されるような雰囲気ではありませんでした。

しかたなく、いくつかの居場所へ行きましたが、無理をしていたのですぐに行けなくなり、また別の居場所へ行っても行けなくなり、親子ともに疲れはてる。そんなことをくり返していました。(uni)

この経験を活かして

よくネットなどで、「自分は不登校やひきこもりなどのつらい経験をしたから、同じ経験をした人を助けたい」というようなインタビューを読むことがあります。僕の親もそういう記事を読んで、感動しているのを見たことがあります。

それ、正直迷惑です。僕は小学6年生から不登校、今は20代半ばですが、ほとんどひきこもりです。

もちろん自分のペースでバイトなどは始めようと思っていますが、自分の人生を生きていくだけで精いっぱいで、「不登校・ひきこもりの人の力になる」なんて、自分にはそんな余裕はありません。

だけど親や世間を見ていると「他人のために何かをしないと不登校・ひきこもりは許されない」かのように思えてしまいます。

そのため、家に居てもなんだか気が休まらず、つねに追われているような気になってしまうのです。(小松菜康平)

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不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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