4人の当事者が語る「不登校時に困惑したこと」 周囲の「よかれ」が心底つらいこともある
不登校になりたてのとき、学校でまったく仲がよくなかった子たちが先生に言われて家に来て「学校においで~、待ってるよ~!」と声をかけに来ることがありました。
私は「あなたたちが本当に来てほしいと思って待っててくれるなら、私は不登校にならなかったよ?」と思ったし、「ふつうに学校へ通って不登校の子に家庭訪問するくらい余裕のある人生を送っているんだ……、それに比べて私はただ家にいるだけで親を毎日泣かせてる。なんにも価値がないじゃないか」と負のループにおちいるだけでした。
励ましで救われるという人もいるとは思いますが、私は気持ちを整えるまでに時間がかかるタイプなので、家庭訪問はせず、そっとしておいてほしかったです。(ひな)
「説得します」という校長と両親の押し問答
学校へ行かなくなったある日、担任の先生と校長先生が自宅に来たことがありました。母と父が先生たちと話しているのを、私は2階の自分の部屋からこっそり聞いていました。
校長は「お子さんに会わせてください。学校へ行くよう、私が説得します」と両親に強く言っていました。
しかし、両親は「娘は会える状態ではありません」ときっぱり断り、何度かの押し問答をしたあと、先生たちは帰っていきました。
校長の言葉を聞いたときには、「まさか私の部屋に先生たちが来るなんてことはないよね?」と心がざわつきましたが、守ってくれた両親には感謝しています。
しかし、今ふり返ると、もし両親が根負けをして先生たちを私の部屋に招きいれてしまっていたら……。
私と両親の信頼関係は完全に崩れ去ってしまっていたと思います。「あれはかなりギリギリのできごとだったな」と、今さらながら冷や汗が出てきます。(富良野しおん)