混沌たる世界を「アニメ」はどう変えられるのか トンコハウスの堤監督とコンドウ監督に聞く

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──1人ではなく、2人で起業したよさは。

:ロバートと2人でトンコハウスを始められたことは、僕の人生に起きたすばらしいことの1つだと思います。これまでの道のりは楽ではありませんでしたが、彼と一緒でなければ、もっと大変だったのは間違いありません。1人では乗り越えられなかったと思うし、できたとしても、まったく違うものになっていたと思う。

僕にとっては、一緒にリスクをとりながら旅をしたいと思った相手が、それにふさわしい相手だったということです。目指しているところにたどり着くには、先の道のりは長い。ロバートと一緒だから簡単に到達できるということではないけれど、相手が彼でなければ非常に困難あるいは、違う道のりになるでしょう。

「ダイスのことも、チームのことも信頼しているので、リスクをとろうと思った」というコンドウ監督と、「ロバートは、リスクをとるのにふさわしい相手だった」という堤監督(撮影:吉濱篤志)

コンドウ:面白いことに、ダイスと僕はそれぞれほかの誰よりもお互いと過ごしています。互いの家族より。彼と僕、それぞれの中で始まったことがどんどん近づき、今やより長い時間を彼と過ごすようになっています。

僕らが口論するとき、大概は、その原因は僕にあります。僕が彼を批判するときは、自分自身を批判しているのと同じ。つまり、多くはそれぞれに対して、というより自分自身への問いかけなのです。

会社がより幅広いことを手がけるのにつれて、それぞれが別の責任を担うようになっていますが、ダイスの失敗は自分の失敗だと感じるようになっています。彼の失敗は、僕の失敗でもある。それが僕にとってパートナーシップというものです。ともに歩いて失敗をしなければこういう感覚にはならないでしょう。

──今回の映画祭は、約1カ月に及び、トンコハウス以外のアニメ作品も含めて世界の全20作品以上を上映するという大規模なものです。なぜ日本で?

:今回の試みは僕らにとって実験でもあります。準備は大変だったけれど、僕らのファンと、僕たちが好きだったり、インスピレーションを受けた映画をシェアしたいという思いがあったので、映画祭をやらないかという話があった時、このチャンスは逃したくない、と思いました。

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