婚活業界の”不都合な真実” なぜ婚活の成功率はこんなに低いのか

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ある調査によると断トツの1位は「料金が高い」です。60%以上の人が「そう思う」と答え、「ややそう思う」と回答した人も含めると、実に97%以上の人が結婚相談所は高いというイメージを持っているのです(経済産業省調べ、2006年)。

実際のところ、結婚相談所では入会金に5万~10万円、登録料に5万円、月会費として毎月1万円、お見合いを1回セットアップするごとにまた1万円、結婚がまとまったら成婚料として20万~30万円など、次から次へとおカネがかかります。だから、お見合い話や友達の紹介がタダなのに比べると「料金が高い」というイメージを抱くのもかもしれません。

「暫定成婚率」とは何か

しかし、料金はサービス内容や成果に見合っているか否か、つまりコストとパフォーマンスの関係性から評価するべき、という考え方があります。そこで冒頭で述べた“成功率”が意味を成すわけです。

経済通産省の調査によると、結婚相談所を利用して結婚に至った人の割合、つまり“成功率”は、男性の場合、わずか8.4%、女性は10.1%しかありません(出典:少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究報告書、2006年)。

算出式は「成婚者数」÷「会員数」。数値は各事業者から集めた回答の平均値を使っています。だから、結婚相談所の業界全体として成功率10%程度ととらえることができるのです。

ちなみに、この調査では成功率を「暫定成婚率」と呼んでいます。なぜ“暫定”かというと、結婚した会員の数を正確にトラッキングできないとか、いつの時点の会員数を基礎数値にするべきかなど、多少ややこしい話があるからです。

しかし、この結果をしっかりと裏書きするデータがあります。ある有名な企業の結婚情報サービス子会社が、ホームページの中で「会員数」と「成婚者数」を公表しています。先の算出式を用いると、成婚率は約10%。この数値は、結婚相談所のパフォーマンスを評価する手掛かりとして考えて、どうやら間違いなさそうです。

私の知り合いにライターで婚活中のY子(31歳)という目がやたら大きい女性がいます。彼女にこの数字を話したら「え~~」と大声を張り上げて「私、35歳になっても独身だったら最後の砦として結婚相談所考えていたのに~」と、目の玉が飛び出すんじゃないかと思うくらい驚きました。

Y子のように、料金が高ければ成果もそれに応じるはずだ、と考えるのは自然の成り行きですし、多くの人がそう考えることでしょう。だから、結婚相談所にとって、成婚率10%という数値は“不都合な真実”なのかもしれません。

次ページこれで相手を好きになれと言われても。。。
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