しかし、10%というのは業界全体の話です。この業界は小規模業者が多く、実に約7割が個人事業主。その中には兼業者も少なくなく、珠玉混合というのが実態です。成績の芳しくない業者さんがいる一方、ピカピカの業者さんもいるはずです。
「だからY子……。まずは落ち着いて、そして安心してほしい。いい業者さんを選べれば“最後の砦”になるはずだ(≒そう願いたい)」
とはいえ、成婚率10%はあまりに低調すぎます。その原因は何でしょうか。私は、「恋愛感情を醸成する仕掛けがない」ことに尽きると思います。現代ニッポンにおいては恋愛結婚が主流です。相手を好きになって結婚するのです。
そうした中、結婚相談所のスキームの根幹はプロフィールデータの交換です。データは無味乾燥な属性情報の羅列と若干のPR文。そこから、読み取れるのは人となりのごくわずか。また、お見合いが成立しても定番の「指定されたホテルのロビーで会話。時間厳守(60分)。連絡先の交換は厳禁」。
これで相手を好きになれって言われてもねぇ……、大半の人にとっては難しいでしょう。現行のスキームを抜本的に変えないかぎり、成婚率が増大することはないし、料金の訴求力も低空飛行を続けるのは必至の情勢だと思います。
そもそも需給バランスが悪い
別の見方をしてみましょう。「成婚率」はマッチング結果です。だから、低調な成婚率は男女双方の条件がかみ合ってないことを反映しているのではないでしょうか。
たとえば、未婚女性が「結婚相手に望む年収」は600万円以上が最も多く、約4割という調査結果があります。しかし、これをクリアできる未婚男性はわずか6%しかいません。
仮に、年収600万円以上の男性を紹介されたとしても、実際に会ってみたら「1円単位で食事代をワリカンにされた」とか「会話がつまらない」など、価値観の相違やコミュニケーション不全が理由でNGになるケースも多々あります。
そもそも需給バランスが悪いのです。
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