日本の観光業は「生産性向上」最高の教科書だ

令和ニッポンの勝算と課題は「観光」でわかる

大切なのは「気持ちよくたくさんお金を使ってもらう仕組み」を作り、「単価の高い客」をたくさん呼ぶこと(画像:Fast&Slow/PIXTA)
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきたアトキンソン氏は、近著『日本人の勝算――人口減少×高齢化×資本主義』で日本の生存戦略を明らかにしている。本質を突いたその提言はメディアからの注目度も高く、4月30日夜9時、NHK総合「ニュースウオッチ9」平成最後の放送では、インタビュー出演を予定している。
アトキンソン氏の提言どおり、人口減少時代に対応して「変化しつつある」のが観光業だ。本稿では、日本の多くの産業の参考になりうる考え方が詰まった「観光業の変革」を紹介してもらう。

「世界第10位」に躍進した日本の観光業

今回から何回かに分けて、日本の生産性向上のモデルケースとも言うべき「観光」をテーマに、寄稿していきます。お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

『日本人の勝算』は7万部のベストセラーとなっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

まずは、日本の観光客誘致の戦略が現状どうなっているのか、確認しておきましょう。

一言でいうと、日本の観光客誘致戦略は非常に順調に進展しています。2017年には、日本は観光収入で世界第10位となり、世界ランクで念願のトップテン入りを果たしました。対前年比で、世界全体では4.9%増(現地通貨ベース)のところ、日本の観光収入は14.4%も増えました。これはトップ10カ国のうち、2番目の増加率です。

日本の観光収入は、2013年には21位でしたので、わずか4年間でトップテン入りを果たしました。これは非常に目覚ましい成果だと言っていいでしょう。

2017年には、日本の観光収入は第9位のマカオの約96%に達していましたので、2018年にはマカオを超えて第9位になるのではないかと期待されています。この日本の大成功には、世界中が注目しています。

一方、観光客数では世界12位でしたので、「数より収入」「稼ぐ観光」という国の戦略も順調に進展していることが数字に表れています。2010年の観光客数ランキングが第30位、2014年でも第22位だったことを考えると、本当にすごい実績だと思います。

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