デキる親は「ユーモアがある」という絶対的真実

子どもへの敬意がなければ成立しない

子育ての中でどれだけ「ユーモア」を意識していますか?(写真:mtmphoto/iStock)

以前、ある会社の会議室で仕事の打ち合わせをしたときのことです。初対面の人が多く、私も含めてみんな緊張していました。すると、そこにその会社の営業部長が入ってきて、次のような話を始めました。

「今朝起きて、眼鏡を掛けようとして黒っぽいものを手に取ったら子どもの靴下だった。いつものところに眼鏡がないので焦った。その後も手探りで眼鏡を探していたら、孫の使用済みオムツに手を突っ込んでしまった。顔を突っ込まなくてよかった。結局、眼鏡はおでこの上に掛けてあった。眼鏡をおでこに掛けたまま寝ていたらしい」

こういった話をしたのですが、その話しぶりがとてもユーモラスでおもしろく、居合わせた人はみんな笑いました。そのおかげで一気に座が和んで温かい雰囲気になり、その後の打ち合わせも非常によい雰囲気で進みました。私は「この人、できるなあ」と思うと同時に、ユーモア精神の大切さを改めて感じました。後で知ったことですが、やはりその部長さんは大変よく仕事ができる人でした。

仕事ができる人には大抵ユーモアがある

講演やセミナーなど、人前で話をする機会がある人は感じていると思いますが、まず最初におもしろい話をして笑ってもらえると、その後かなり話しやすくなります。ちょっとした笑いがあることで、お互いを隔てていた心の壁が壊れて、打ち解けた気持ちになれるのだと思います。お互いの間に壁が存在したままの状態だと、話すほうも話しにくいですし、聞くほうも変に構えてしまって、話の内容を素直に受け入れにくくなってしまいます。

先ほどの営業部長もそうでしたが、一流のビジネスパーソンの多くはユーモア精神に富んでいます。私も若いころ、教師になる前に民間で営業の仕事を経験しましたが、本当に仕事ができる人は、腰が低いのと同時にユーモア精神に富んでいました。私がかつて勤めていた会社の社長もそうでしたし、いちばん成績のよいトップセールスマンもおもしろくて温かみのある人でした。

私が出会った数多くの教師の中でも、授業が上手で子どもにも同僚にも好かれる一流の教師の多くもユーモアがありました。授業の名人と言われた筑波大学附属小学校の有田和正先生もその1人です。

私も有田先生の講演は何度も聞きましたが、毎回おもしろかったです。また、有田先生は授業中も温かい雰囲気に満ちあふれていて、クラスの子どもたちは安心して自分を表現できていたと思います。ですから、みんなたいへん生き生きしていて活動的、かつ知的でした。

とくに立場の上の人がユーモアと温かみのある人だと、下の立場の人は安心できて幸せな毎日を過ごすことができます。子どもにとっては教師や親がそうですし、会社でいえば社長やその他の管理職などです。反対に、立場の上の人がいつも仏頂面で温かみのない人だと、下の人はたまりません。不必要に緊張を強いられて、びくびくしていなければなりません。このようなわけで、私は子どもと毎日向き合っている親たちも、もっとユーモア精神をもって臨むといいと思います。

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