イスラエル、トランプの「熱血支援」で政権続投 強硬外交にも世界最強のサポートで追い風に
アメリカのトランプ大統領による”熱血支援”が効いたのか――。
4月9日に実施されたイスラエルの総選挙。議席が固まり、結果は、ネタニヤフ首相率いる与党の右派政党「リクード」が国内メディアの予想に反し、善戦した。事前予想ではリクードの議席数は29だったが、前回を上回る36議席を確保したのである。
対照的に、政権奪取を狙い、第1党となる議席数32を予想された中道左派政党「カホール」(青と白=イスラエルの国旗の色の組み合わせ)は、35議席を確保。こちらも善戦したものの、リクードに及ばなかった。かつ得票数では、リクードより1万票少ないという、不本意な結果となった。
完全比例代表ゆえ、政党の組み合わせがカギ
人口や国土の小さいイスラエルの選挙制度は、1院制で全国1区の完全比例代表だ。投票日は例年火曜日。有権者は候補者にでなく、党に投票する。定数は120。小選挙区制や中選挙区制と大きく異なり、政党乱立になりやすい選挙制度なので、最大政党でも議席の3分の1がやっとで、他のさまざまな政党との離合集散、組み合わせで政権が決まる。
したがって、まだ、ガンツ元参謀総長率いるカホールが政権与党になる可能性が消えたわけではない。もっとも、連立のキャスチングボートを握るユダヤ教宗教政党(宗派・出身国に差異がある東欧・ロシア系と北アフリカ・イラク系2党で合計議席数15)がリクードと親和性が高いことから、ネタニヤフ政権の続投はほぼ確実だ。
選挙前のネタニヤフ政権も、リクードを中軸に右派政党、宗教政党など6党の連立政権であり、議席数は61だった。連立の枠組みが変わらないとすると、今回は議席数が65となり、政権を継続する。
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