「ブラインドサッカー」日本代表エースの戦い方

2020年東京大会のメダル獲得に必要なもの

2013年の日本代表デビューから目覚ましい活躍を見せてくれたブラインドサッカーの川村怜選手。今回、来年に控えたパラリンピックへの抱負と意気込みをお聞きした。

5歳のときに患ったぶどう膜炎の影響で、視力を失った川村怜さん。一度はサッカー選手になる夢をあきらめたものの、大学進学後にブラインドサッカーを始めたところ、みるみる頭角を現し始めた。

ブラインドサッカーとは、その名のとおり、視覚を奪われた状態でプレーするサッカーで、パラリンピックの公式競技だ。フットサル(5人制サッカー)を基にルールが構成されており、障害の程度によって2つのカテゴリに分かれている。ゴールキーパー以外は全盲の選手がプレーするのが「ブラインドサッカー」。弱視の選手が主にプレーするのが「ロービジョンフットサル」だ。

川村さんは全盲と診断された2013年に日本代表デビューを果たすと、さっそくブラジル戦でゴールを奪う快挙で話題に。現在はキャプテンとして代表チームを率い、昨年は強豪イランとの9回目の対戦で初勝利を収めたばかり。この大会では8得点をマークしてゴールデンブーツ賞に選ばれるなど、いままさにノリにノッているアスリートの1人だ。

そんなブラインドサッカー界のエースは、来年に迫った東京パラリンピックに向け、いま何を思うのか? その近況と胸中を乙武洋匡が直撃した。

日本におけるブラインドサッカーをとりまく環境

乙武洋匡(以下、乙武):いよいよ来年、東京にパラリンピックがやってきます。ブラインドサッカーの日本代表は、いままさに上り調子と言えそうですが、普段の練習はどこで行っているんですか?

川村怜(以下、川村):ナショナルトレーニングセンターや都内の施設など、日替わりで移動しています。試合ではコートにサイドフェンスが設置されるのですが、練習のときはそうした設備のない、普通のサッカー場やフットサルコートで行っています。音が出るボールさえあれば、とりあえずどこでも練習はできるので。

この連載の一覧はこちら

乙武:そのあたり、日本と海外ではやはり練習環境は異なるのですか? できれば試合のときと同じように、フェンスを立てて練習するに越したことはないですよね。

川村:ブラジルやアルゼンチン、あるいはヨーロッパの国々は、ブラインドサッカー専用の練習場が整備されているところが多いです。とくにベルギーなどは、国を挙げてサッカー文化を育んでいるので、一般競技のクラブハウスの中に専用コートがあったりしますね。国のリーグの傘下にブラインドサッカーという競技があるんですよ。

次ページ専用競技場は現在国内に1つもない
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • ブックス・レビュー
  • 就職四季報プラスワン
  • 家族の法廷から
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
デザインの力で開く新たな価値観<br>プロダクトデザイナー 柴田文江

オムロンの体温計「けんおんくん」やコンビのベビー用品。暮らしに関わるプロダクトのあり方と、身体性を反映した柔らかな造形を追求してきた柴田氏の作品だ。女性初のグッドデザイン賞審査委員長への歩み、そして今考えていることとは。