リクルート、37歳の司令塔が描く「新戦略」

リクルートの若き経営室室長と語る(上)

瀧本:グローバル戦略についてはいかがですか。僕が見たところリクルートは海外的には苦戦している印象です。すでに中国やそのほかの国に進出していますが、日本と同じようにはいかず、リクルートモデルにある種のガラパゴス的なものを痛感していたりもする。

一方で派遣の事業など大規模な事業は人が足りず、日本の大手電機メーカーの海外事業経験者を採ったりして中途採用で埋めている部分もある。そんな中、今後はどうやってリクルート自体がグローバリゼーションしていくのか。あるいはグローバルはグローバルで、国内は国内で、とすみ分けるような形になっていくのか。どういうイメージですか。

今村:基本的にはグローバル戦略の軸はM&Aだと思っています。中国で「ゼクシィ」や「ホットペッパー」の事業に進出したときは、自前で部隊を抱えていましたが、今は方針を大きく変えています。日系企業がクライアントであるような領域を除いて基本的にはM&A、もしくはジョイント・ベンチャーが基本戦略です。

瀧本:なんで自前だとうまくいかなかったんですか。

今村:いろいろな見方があると思いますが、ちょうど中国などでネット化のスピードがぐんと上がったタイミングだったところへ、「ゼクシィ」にしても「ホットペッパー」にしても、紙の情報誌を発行してやろうとしたんですね。時代の潮流に合わなかったということがいちばん大きいです。もうひとつは自前主義だったから、現地のことを学ぶのに時間がかかった。だからそこはもうわかっている方にお願いしたほうがいい。

実際そういうふうに方針を決めてからはけっこう成功していて、アメリカの「Indeed(インディード)」という求人サイトを買収した後は、国内で培ったマッチングの技術を移植して成果を上げています。また、元からいた従業員はわれわれのマネタイズの仕方にも驚いています。だから海外の企業を買収して、元からいる人材や文化は大事にしつつも、移植できる部分はできるだけトッピングしてバリューを上げていく。たぶん各領域とも、この戦略でやっていくと思います。

瀧本:この連載の第1回はJT の方に登場していただいたのですが、JTの場合は生産管理などに優れたノウハウを持っていたので、グローバル化に際し、そういう人材を送りこんでそこを強化するという戦略がとれました。リクルートの場合は、マッチングとかプライシングとかに関して移植可能であるということですか。

今村:おっしゃるとおりです。たぶんセールスやマーケティングなどのオペレーションも移植できる。先ほどの「やりきる力」について海外で話すと、けっこう「おおっ」となるんですよ。そのへんは今後、ネットサービスがプラットフォーム型になってきても活用可能だと見立てています。

(構成:長山清子、撮影:梅谷秀司)

※ 続きは1月6日(月)に掲載します

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