「デジタルプラットフォーマー」とは一体何者か

「GAFAなど」と一括りにするのは大問題だ

またそれらのコンピューター製品がうまく連動するよう、各種OS(基本ソフト)を開発して組み込み、そこに開発者を呼び込んでいる。そうした意味ではMicrosoftやグーグルとも比較されやすいが、事業全体の枠組みを見ればハードウェアメーカーであることは明らかだろう。

なお、前述のウォーレン議員のようにAppStoreをアップル自身が管理することに対する疑問の声が出ているのは、AppStoreの売り上げが過去8年間で累計1200億ドル(2019年1月時点)と大きく成長しているからだ。このうち約700億ドルは、直近の2年半でたたき出した数字であり、アップルはAppStoreの売り上げから3割を手数料として徴収している。

このことが非競争的という指摘につながっているが、一方でAppStoreがアップルの販売するハードウェアと一体化されたサービス(製品の一部とも言える)であり、またセキュリティー管理上、重要な役割を持っていることは考慮せねばならない部分だ。

個人に近付いたターゲットの絞り込みを行えるフェイスブック

フェイスブックは大学キャンパス内の社交(ソーシャル)をネットワークサービスという仮想世界に置き換えて、個人間の関係性を強化することを目的に開発されたシステムだ。このため、よく知られているように“実名”による登録が求められており、友人関係も関係の近さや属性に応じて多重に管理し、相互のコミュニケーションが行えるよう工夫されている。

またフェイスブックを基本として、個人間あるいは特定グループ間の連絡用に音声や文字での情報交換を行える「Messenger」も用意し、企業向けには企業アカウントや行動ターゲティング広告の販売を行っている。

売り上げそのものはグーグルに遠く及ばないものの、“実名登録”を基本として現実社会でのつながりが強い友人同士の交流における行動を分析することで、精度の高い行動ターゲティング広告を打てることが彼らの強みだ。

グーグルが大まかな人の興味の流れを把握して広告のターゲットを絞るのに対して、もっと個人に近付いたターゲットの絞り込みを行える。2017年度の406億ドルという売り上げのうち、およそ98%が広告によるものだった。2016年度に対する成長は47%増、純利益は56%増で159億ドル、営業利益率は50%に達する。

年齢、性別、交際ステータス、学歴、職場、職歴、役職、イベントへの参加履歴や訪問するお店、趣味趣向などの情報が実名と連動し、興味の対象に対して「いいね!」が押されることで単なる属性値を超えた“ひととなり”を推測できるためだ。

しかも利用者はグローバルで22億人に達する。

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