会話が続かないと悩む人へとっておきの処方箋 コミュニケーションには「聞く力」が必要だ
この「聞く」ができるようになると、雑談力も高まります。雑談力は、友達関係のみならず、とくにビジネスにおいて求められる必須のスキルです。雑談のレベルが上がると、自分に対する評価や印象もガラッと変わります。実際、雑談の上手な人は、仕事でも高いパフォーマンスを発揮しています。
そして、多くの人が雑談で悩んでいるのは、「何を話したらいいかわからない」とか「話が続かない」といった話し方の部分です。
しかし、雑談がうまくなる秘訣は、話し方よりも「聞き方」にあります。雑談がうまくいく方法はいくつかありますが、ここではすぐに使える2つの秘訣をお伝えします。
1つ目の秘訣は、「相手が心地よくなるような聞き方」をする、ということ。
もう少し具体的に言うと、「相手の感情に呼応して、同じ感情レベルで聞く」のです。例えば、相手が「この日本酒は本当に最高だなあ!」と話しかけてきたとします。そこで「え、そうですか?」と自分の本心をそのまま伝えたら、自分に悪気はなくても、相手は否定されたと感じてしまいます。
相手の感情表現を同じ感情で繰り返す
ではどうしたらいいかと言うと、「本当に最高なんですね! よかったですね!」と、シンプルに相手の感情表現を同じ感情レベルで繰り返してあげる。これだけでOKです。相手の感情表現に対して、同じように呼応してあげると、相手はとても心地よくなるのです。これを「共感」と言います。
このとき、その日本酒が自分の口に合わないのに本心に逆らって「最高においしいですね!」と無理に合わせようとする必要はありません。無理に同感すれば、ストレスをためることになります。
「共感」と「同感」は同一視されがちですが、実は根本から異なります。「共感」は、自分が同意していなくても、相手がどう感じているかを理解することです。「同感」は、文字どおり同じ気持ちになる、賛成するということ。
つまり、「自分は違うけど、あなたはそう感じるのね」と共感するだけでいいのです。人は共感されると「自分が受け入れられた」と感じ、承認欲求が満たされた状態になります。この承認欲求を満たしてあげるというのが雑談上手になる大切なポイントです。「共感」は自分にストレスをためず、相手も心地よくする聞き方なのです。
もう1つの秘訣は、「縦横の質問」を使って聞く、です。
実は、自分が話し下手であったとしても、あるいは教養がなかったとしても、話を盛り上げることはできます。それは、「聞く側」の視点に立って、会話を盛り上げていく「縦横の質問」という方法です。