3月に入って大規模な合同企業説明会が開催され、リクルートスーツ姿の就活生が目立つようになった。面接も盛んに行われている。学生は面接に備え、キャリアセンターなどで模擬面接を経験しているだろう。
話す内容とともに、受付での振る舞い方(受付段階でも観察されている)、ドアの開け方と自己紹介、いすへの座り方、姿勢と視線などのマナーも指導してもらったはずだ。これが面接の基本である。
しかし、企業は学生がそういう指導を受けることを前提に面接を行う。面接の応答はしばしばキャッチボールに例えられるが、素直な球ばかりではなく、受けづらい曲球もある。どんな質問があるのだろうか?
2019年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、HR総研が「楽天みん就」と行った共同調査から、先輩たちが「困惑した面接での質問」を紹介してみたい。
「ありのまま」を勘違いする学生
面接の目的は、企業と学生の相性を確認することだ。志望動機、自己PR、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)の3つの質問で、企業は学生の能力と本気度を知り、直近の過去(大学生活)のエピソードによって人物を確認しようとする。ところが、多くの学生はトークを練り上げて面接に臨む。企業はそんなトークを聞きたくない。聞きたいのは、「ありのまま」「素」の言葉だ。
「ありのままの自分を出してほしい」と言う企業の言葉を素直に信じる学生はいないが、信じない理由は「ありのまま」の意味がわからないからだと思う。学生は「ありのまま」と聞くと、「ありのままならリクルートスーツじゃなくていいのか」と、「ありのまま」を外見から理解して演じようとする。それは勘違いだ。
企業の言う「ありのまま」とは「素直に」「嘘はつかず」「話を盛らず」という意味だ。しかし、そう言っても学生に伝わらないので、定番の質問以外で無茶ぶりや不意を突いて、その反応で発想力や論理性を見て取ろうとする。しかし、この種の質問を知らない学生はかなり多いようだ。
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