デジタルジャーナリズム時代の、5つの教訓 今、アメリカのメディアで何が起きているのか

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5. ジャーナリストは起業家たれ

2020年、ジャーナリストに必要なスキルは、取材をし、原稿を書き、編集するだけでは不十分だ。新しいスキルが求められている。従来以上に、写真・ビデオ・音といったマルチメディアに精通していなければならない。ソーシャルメディア上でコミュニティを作り、時には自分でデータをデザインし、時には自分でプログラムを作ることも必要だろう。しかし何よりも重要なことは、ビジネスのことを理解し、起業家マインドを持ったジャーナリストとなることだ。

次のトレンドはクラウドファンディングと自動記事作成

最後にキャプランは、これからのジャーナリズムのトレンドを述べる。

調査報道のためのクラウドファンディングを目指すUncoverage

ひとつは、ジャーナリズムにおけるクラウドファンディングだ。Uncoverageは、調査報道資金専門のクラウドファンディングとして2013年12月初頭に企画され、現在、企画自体がクラウドファンディングを受けている。時間も費用もかかる調査報道も、クラウドファンディングによって支えられる仕組みが作られれば、記者が媒体に依存せず、調査活動に専念できる日が来るかもしれない。

  地震速報を自動作成するLosAngelesTimes

もうひとつは、記事の自動作成だ。企業の決算報告やスポーツの試合結果など、数値が重要な情報の大部分を占める記事は、すでにコンピュータによって自動作成できる技術が開発されている。そのクオリティは、一見して人間の記者が書いたものと見間違えるほどだ。特にコンピュータが優れているのは、速報性だ。Los Angeles Timesでは、早朝5時に発生した地震の8分後に、コンピュータによる自動記事を掲載した。人間の記者にはまねできない芸当だ。数値として収集可能な情報をニュースとする場合、アルゴリズム記者による記事が主流になる日も近いかもしれない。

(構成:荒川 拓)

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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