東大教授流! (ほぼ)確実に1億円儲ける方法 年末ジャンボよりコレ! 1日たったの2時間!

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逆の立場になってみてください。「働いて、さらに家事は全部やって」なんて、できるわけがないはずです。パートナーが働く以上、男性の家事参加は不可欠です。家事・育児は「手伝う」ものではありません。シェアする、共有するものです。

「そんで、1億円儲ける方法はどないなってん?」いや、わかってます。実は、妻がフルタイムで働き続けると、ほぼ確実に1億円儲かるのです。

『出生動向基本調査』を見てみると、1985年から2009年にかけて、第1子の出生後も働き続けている人の比率はいっこうに増えず、ほぼつねに25%前後にしかならないことがわかっています。育児休業制度や(足らないとはいえ)保育所・学童保育が充実してきたにもかかわらずです。日本は最初に大企業に勤めていても、いったん辞めてしまうと二度とその条件のよい職種に就けない社会で、実はこの出産に伴う生涯年収のロスは莫大なのです。

子どものいる世帯の夫の家事・育児時間は、共働き世帯で39分にしかならず、女性は4時間53分です。この状態では、女性がフルタイムで就業を続けるのは難しいでしょう。

ここで、仮に夫が妻と同じように毎日2時間家事をするとしましょう。これならフルタイムで働き続けることも不可能ではないはずです。妻が年収350万円あれば、夫の家事の時給は約5000円。350万円が25年以上続けば、退職金や年金も考えて、生涯で1億円になります。もし女性の側が大卒で、大都市部のそれなりに条件のよい会社に勤めていれば、2億円から3億円というのも、十分ありうる額です。

東大の女子学生の中にも、「将来は専業主婦でもいいかな」という人はいます。もちろん、人生はおカネのためにあるのではないですから、それを否定はしません。「あなたの人生だから、あなたが決めること。でも、それによって失う生涯年収が2億~3億円あることを知ったうえで判断しましょうね」と伝えています。するとほとんどの学生が目の色を変えて、「働きます!」と言い始めます。

さらに男子学生がコメントで、「年末ジャンボ宝くじを買って期待しているよりも、毎朝、大学の正門前で女子学生に一人ひとり声をかけたほうが、はるかに効率的ということですね」と言っていました。そのとおりです。そんな乱暴な「ナンパ」が功を奏するとは到底思えませんが、それでも1000人に1人が応じてくれたら、宝くじの1万倍の確率で、億単位のおカネが手に入るはずです。

忘れないでくださいね、男性が家事・育児に積極的にかかわるという条件の下で、です。

瀬地山 角 東京大学教授

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せちやま かく

1963年生まれ、奈良県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。北海道大学文学部助手などを経て、2008年より現職。専門はジェンダー論、主な著書に『お笑いジェンダー論』『東アジアの家父長制』(いずれも勁草書房)など。

「イクメン」という言葉などない頃から、職場の保育所に子ども2人を送り迎えし、夕食の支度も担当。専門は男女の社会的性差や差別を扱うジェンダー論という分野で、研究と実践の両立を標榜している。アメリカでは父娘家庭も経験した。

大学で開く講義は履修者が400人を超える人気講義。大学だけでなく、北海道から沖縄まで「子道具」を連れて講演をする「口から出稼ぎ」も仕事の一部。爆笑の起きる講演で人気がある。 
 

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