チリワイン「安い=微妙」という残念な勘違い こじるりのようなバランスが魅力のチリカベ

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“チリカベ”は若いのにバランスのとれたこじるりのよう(イラスト:くぼあやこ)

暦の上ではもう春ですが、まだまだ寒い日が続き、暖かい日差しが待ち遠しいですね。みなさん、くれぐれも体調管理にはご注意を!

さて、今回のテーマは“チリカベ”。「チリのつもった壁」ではなく(笑)、「チリのカベルネ・ソーヴィニョン」のお話です。みなさんもスーパーやコンビニなどでチリの赤ワインをよく見かけるかと思いますが、1000円前後からたくさんあり、うれしい存在ですよね。もしかしたら、「チリワイン=安いワイン=そこそこのワイン」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

チリのワインが安い理由

なぜそんなに安いのか? なぜあちこちで売られているのか? それにはちゃんと理由があります。まず、もともと土地代や人件費が安く、大規模なワイナリーが多いため生産コストが抑えられ、コスパがよかったというのが一つ。

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加えて、日本への輸入量がこの10年ほどで約10倍になったのは、2007年にチリと日本の間で 2国間経済連携協定が結ばれたから。つまり、チリワインが低い関税で輸入できるようになったからということも大きいようです。 輸入量は2016年に長年トップだったフランスワインを上回り、日本の輸入ワイン第1位となっています。どおりで、どこへ行ってもチリワインがあるはずです。日本では「いつでも手に入るワイン」とも言えるでしょう。

それゆえ、「チリのワインってどうなのかしら?」と、なかなかトライできない方も多いのではないでしょうか。そんな方にこそ声を大にして言いたい……。チリワインを飲まないなんて損していますよ!

チリのワイン用ブドウは、キリスト教のミサ用ワインのため、16世紀半ばから栽培されていますが、19世紀後半にフランスからワイン造りに関する専門家を招聘(しょうへい)し、本格的なワイン造りが始まりました。今やチリは「すばらしい気候(Weather)、きれいな女性(Woman)、おいしいワイン(Wine)」の「3Wの国」と言われるほどになっています。

チリは南米大陸の南西の海岸沿いに伸びる細長い国です。海岸沿いには海岸山脈が、東側のアルゼンチンとの国境沿いにはアンデス山脈があり、主にその2つの山脈の間にワイン産地があります。

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