チリワイン「安い=微妙」という残念な勘違い こじるりのようなバランスが魅力のチリカベ

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

とはいえ、選択肢が多く、値段も手が届きやすいため「どれを買ったらいいのかわからない」という人も多いでしょう。そこで、おすすめの“チリカベ”をご紹介します。それがこちら、いまやチリを代表するワイナリーの1つとなったモンテス社のモンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニョンです。

ワイン名:MONTES ALPHA Cabernet Sauvignon
(モンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニョン)
銘柄名:D.O.Colchagua Valley(D.O.コルチャグア・ヴァレー)
生産者:Montes(モンテス)
生産年:2016年
生産地:チリ・セントラル・ヴァレー
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン90%、メルロ10%

このワインを有名人にたとえるなら、タレントの「こじるりちゃん」こと、小島瑠璃子さん。キュートな笑顔でいつもテレビ画面を明るく楽しくさせてくれる彼女は、バラエティー番組では見ない日はないくらい大活躍です。最近ではそれだけにとどまらず、情報番組、科学番組などでも大人で知的な一面を見せてくれていますが、そんな「若さと成熟度のバランス」がまさにこのチリカベのマルチな特徴にぴったり。

若いのにバランスがとれている

グラスに注がれた姿はキラキラと若々しくも、しっかりとした濃いめの紫色で、少し大人びた印象があります。香りは非常に元気いっぱいにグラスからしっかり立ちあがっていて、赤い小さなバラやスミレのような、キュートで少し成熟したフローラルさと、よく熟したブルーベリーやカシスなどのベリーのフルーティーさであふれています。ちょっとだけミントのようなすっとしたハーブのような香りがあって、その奥にはほんのりと樽由来のヴァニラっぽい木のニュアンスも感じられます。

(イラスト:くぼあやこ)

口に含むと、とてもなめらかなアタックで、見た目よりもやわらかく、優しい味わいで、甘みも酸味も当たるところがありません。若いのにすでにすばらしくバランスが取れているところが、まさにこじるりちゃん! ワインだけでも楽しめますし、お料理ともいろいろ合います。

ほどよい果実味とタンニンが、牛のハラミのグリルのようにジューシーでワイルドなお料理にぴったりですし、少し青っぽいニュアンスがあるので、野菜を使った料理、例えばナスやアスパラガスをチーズと一緒に焼いたグラタンなんかにもよさそうですね。このあたりもどんなベテラン芸能人とも上手に絡んでいけるこじるりちゃんを彷彿とさせます。

これだけマルチに使えて、お値段も2000円ちょっとくらいとお手頃なので、ぜひ常備しておきたいワインです。いろんな場面で大活躍しますよ!

杉山 明日香 理論物理学博士、ソムリエ、唎酒師(ききざけし)

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すぎやま あすか / Asuka Sugiyama

佐賀県唐津市出身。有名予備校の数学講師として教鞭を執る傍ら、ワインスクール「ASUKA L’ecole du Vin」ではソムリエ資格試験対策の講座を主宰。また東京・西麻布ではワインバー「GOBLIN(ゴブリン)」 を、パリでは日本酒&シャンパーニュをテーマにした和食店「ENYAA(エンヤー)」をプロデュースしている。著書に『ワインの授業 フランス編』『ワインの授業 イタリア編』『受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座』『おいしいワインの選び方』など。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT