社内会議に資料はどこまで必要なのか? ビジネスパーソンの資料作成作法

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そんな作業に没頭するには、集中力を伴います。作業が地味であるときほど、その終了後に襲われる目・肩・腰の疲労感は大きくなります。そして資料作りの結果、パワーポイントに代表される「電子ファイル」という目に見える成果物ができるので、疲労と達成感の同時発生で心地よく、それはそれで仕事をやった気になります。でもふと冷静に振り返ると、結局、この成果物としての資料は何の価値があったのかと、どこか落ち着かない気分にもなります。

よくある話です。でも、こんな作業は無駄なのでしょうか。社内向けの資料作りは、価値を生まない仕事なのでしょうか。

私は不毛とも無駄とも思っていません。

資料が効果を発揮するとき

資料は何のために作るのか。それは言うまでもなく、コミュニケーションを円滑にするためです。つねにそこには伝えたい相手がいます。その相手に対して正確にメッセージを伝え、共感してもらい、さらに必要に応じて具体的な行動につなげる。それこそが大目的です。

そこでは中身はもちろんですが、伝わらなくては意味がありません。つまるところ、コミュニケーションは内容と伝え方の掛け算なので、内容がいくらすばらしくても、伝わらなければ結果はゼロです。

特に会議で自分の主張を相手に伝える場合、

● 口頭だけでは通じにくい複雑な状況

● 可視化するほうが効果的な状況

● 後で言った言わないになりかねない状況

● 会議への参加人数が少なく、不参加者にもある程度正確に内容を伝えるべき状況

そういった局面で効果を発揮するのはまさに資料です。

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