アメリカ株は「もう上がらない」と言い切れるか

FRBの政策変更は世界経済に好影響を与える

政策姿勢を「中立」に戻したことに加えて、2017年10月に約4.5兆米ドルあったFRBのバランスシート(BS)縮小政策の見直しにもやや踏み込んだ。2018年末時点でBSは4.0兆米ドルまで減少しているが、今後の縮小方針に関して、議論・検討を進めることを追加で表明している。

FRBなど中銀のBSの変動が金融市場や経済活動に及ぼす影響については、さまざまな分析や見方があるが、筆者は金融市場への流動性の供給源として中銀のBS変動は、無視できない影響があると考えている。

すでに政策金利がいったん中立水準に近づく中で、BS縮小による流動性の抑制を通じて金融引き締め効果が強まる。

現時点で、BSの縮小ペースはおおむね判明しているが、縮小がいつまで続くのかは明示されていない(BS縮小が止まれば、その後はBSが拡大に転じるとみられる)。

バランスシート縮小も早期に止める方向へ?

2018年末にFRBの政策への疑念によってリスク資産であるアメリカ株式が大きく下落したことには、「利上げ」+「BS縮小」、を通じたFRBによる金融引き締めが、いつまで続くか不明になり、これが景気後退を招くとの疑念が強まったことが挙げられる。

1月FOMCによって、筆者はFRBが政策金利の姿勢を中立としたことに加え、BS縮小を早ければ年内に停止する可能性が高まったと筆者はみている。BS縮小終了時期は今後の議論次第だが、FRBが決めることができる。

FOMCメンバーの中で、ジェームズ・ブラード セントルイス連銀総裁やニール・カシュカリ ミネアポリス連銀総裁など、利上げに慎重だったメンバーの方向に、ジェローム・パウエル議長などの主流派の見解が近づく格好で1月に政策転換が行われた。政策金利水準がいったん中立水準に達したのだから、BS縮小も早期に止める方向に議論が進む可能性は十分あるとみている。

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