口だけは立派「ビッグマウスの子」を動かす方法 「トップ校に行く!」と掛け声だけ威勢がいい

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つまり、「◯◯をやる!と言うのはカッコいいね〜。さらに、◯◯ができた(達成した)姿ってもっとカッコいいよね」という構造を会話で作ってしまうのです。

すると、いったん受け入れてもらえて満足し、さらに次のステップがあるということを暗に知らされることになるのです。間違っても次のような言葉がけはやめたほうが無難でしょう。

「トップ校って大変なのよ。ほんとにできる?(疑念)
「また口ばかりで……。行動できたらいいんだけどね〜(嫌味)
「できるわけないでしょ(否定)
「勉強全然してないよね!(事実)
「宿題すらまともにできないのに、トップ校なんて無理!(脅迫)

大川さんのお子さんは、適当にトップ校と言っている可能性が高いですが、否定したり、嫌味を言ったりすることは避けたほうがよいかと思います。なぜなら、そのような言葉をかけところで、具体的な行動につながる可能性が低いからです。

行動に移すために自分で考えるように

もちろん、先ほど提案したような会話をしたからといって、100%子どもが行動するようになるとは限りません。しかし、いったん認めてもらったうえで、その先の具体的行動へと促されることで、どうしたらいいか自分で考える可能性はあります。そこで本気にスイッチが入る子もいれば、現実的な世界で再度、宣言を変えるなど修正してくる子もいます。

大川さんのお子さんが、小さい頃から、「大きい宣言をすることは格好いい」と思ってきたとすれば、上記のような会話を1回、2回程度しても、簡単に変化することはないかもしれませんが、ことあるごとに上記のようなパターンで会話をしてみてください。

重要なポイントは、「いったん受け入れてあげたうえで、さらにその先もあることを伝える」ということです。すると、認めてもらったことで安心感を得て、さらに「言ったことを達成する」という新たなゴールが設定される可能性があります。ぜひ、以上のことを参考にしてみてくださいね。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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