後輩たちへ、内定の決め手は「早めに動く」だ 就活を戦い抜いた先輩学生からのアドバイス

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さて、実践的なアドバイスとしては「貯金」がある。お金がないと活動できない。たくさんの先輩が就活軍資金の重要性を指摘している。とくに地方の学生は、本社が都市部の企業へ応募するのであれば、セミナーや面接のたびに東京や大阪まで遠征しなければならなくなる。深夜バスなどでできるだけ安く抑えることもできるが、それでも限界はある。

「早めに活動すること。貯金しておくこと」(北九州市立大学・理系)

「就職活動が始まる前にお金を貯めておくこと」(西南学院大学・文系)

「金がかかるぞー」(西南学院大学・文系)

大学キャンパスが学生の主要な生活空間だ。大学に行くには学割で購入した定期を使うから交通費の実感は薄いだろう。しかしたくさんの企業のインターンシップ、説明会、面接に参加するにはかなりの交通費がかかる。

ほとんどの学生は移動の際にスマホで検索するだろうが、ほぼ同じ駅に行くにしてもJRと私鉄、地下鉄では運賃が変わる。片道だけで100円以上違うこともあるから、経路を工夫することも大事だ。

ぶれずに自分を信じて

最後に印象に残った2つのコメントを紹介しよう。

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まず「同じような失敗を繰り返すな」というアドバイスだ。成功パターンは人によって異なるかもしれないが、失敗パターンは似通っている。就活生が陥りがちな、過ちや勘違いを事前に知っておけば、無駄・無理・ムラのある行動をなくして効率的な就活ができるはずだ。

おそらくこの種の知識は、キャリアセンターのスタッフが詳しく説明してくれるはずだ。いろんな知恵や知識を教えてもらおう。

「だいたい毎年同じような失敗をみんながするので、しっかりどのような時期にどんな失敗をしているのかをいろんなひとに聞いておいたほうがいい」(首都大学東京・文系)

2つ目は性格の変え方だ。企業が評価する学生には類型があり、「明朗」「明快」が好まれる。これは性格なので変えるのは難しいと思うかもしれないが、そうではない。「行動によって変わった」と自身の経験を語る先輩がいる。

「インターンシップの面接で4回も落ちていたが、その経験もあり、本選考では少なくとも2次面接まで余裕で行けるようになっていた。私は内向的な性格だったが、インターンシップや面接、情報交換を通じて少しずつ外交的になっていった」(早稲田大学・理系)

うまくいかないと落ち込む学生が多いが、初めて経験する面接でうまく振る舞える者は稀である。5回、6回と場数を踏むうちに慣れてくる。心配しなくても大丈夫だ。ぶれることなく、自分を信じてほしい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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