小島慶子「苦しいあなたはここにいていい」

発達障害を告白した彼女が語る社会の難しさ

ラジオでリスナーと接することは私にとって他者の語りに触れることでした。そうすると、だんだん自分が受け入れられているような気持ちになってきて、自分の痛みがそこにあってもいいような気がしてきたんです。だから、ラジオにはとても感謝しています。

DVは絶対にいけないけど、気持ちがわかる自分がいた

――東洋経済オンラインの読者には男性が多いのですが、男性にとって自分の痛みや弱みを認めることは苦しいことだと思うんです。そのあたり、どうすれば楽になると小島さんは考えますか?

小島:男性は、もともと働くのが当たり前という社会で生きています。それってかなり厳しいと思うんです。学校を出たら働くことが決まっていて、出世もしなきゃいけなくて、何ならカミさんと子どもも養え、という価値観に縛られています。

私は一家の大黒柱ですが、一家を養うってプレッシャーで逃げたいときもあります(撮影:今井康一)

一方、女性には働いたり仕事を辞めたり、出産をしたり、ほかにもいくつか道があって正解がありません。だからこそ、どれを選べばいいのかという悩みも生まれてしまうのですが。でも、男性は「働く」という選択肢しかない。それ以外の道が許されないのは恐怖ですよね。

私は今、一家の大黒柱をしていますが、やはり一家を養うってすごいプレッシャーで逃げたい。自分が女として育ってきたので、男は強者だと思いこんで、おじさんはいじったり、けなしてたりしてもいいし、何なら女は男を少し邪険に扱うくらいがオシャレだと思っていました。

でも、彼らはそれに「トホホ」と頭にネクタイを巻きながら耐えていたわけです。それができない人はDV(家庭内暴力)に走る。もちろん、DVは絶対やっちゃいけないし、やる人は許せない。けれど、DVをしたくなる人の気持ちがわかってしまう自分がいたんです。

だって私、こんな必死な思いをして大黒柱として働いているのに、もし息子たちに「臭いからあっち行けよババア」なんて言われたり、夫に「見た目が劣化したね」とか「もっと稼げないの?」とか言われたら椅子投げそうです(笑)。でもそれをやるとDVだからダメ。

昔は新橋のSL広場でウィ〜って酔っ払っているサラリーマンを嘲笑していましたが、今はもう、SL広場でフリーハグしたいくらい彼らの気持ちがわかります(笑)。

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