小島慶子「苦しいあなたはここにいていい」

発達障害を告白した彼女が語る社会の難しさ

――では、それ以降は見た目コンプレックスが落ち着いたと。

小島:それが、アナウンサーになった後のほうがひどくなってしまって。当時はネットなどはないので視聴者から「あの女子アナは顔がくどい」「背が高すぎる」「表情が生意気だ」などの中傷FAXが届くんです。スタッフさんからも冗談でしょうけど、「お前は顔がでかいから少し後ろに立ちなよ」なんて言われちゃう。もともと容姿に自信がなかったので、その一つひとつが刺さってしまいました。

そして、ますます過食嘔吐がひどくなり、顔はパンパンにむくみ、それでまた「顔がでかい」と言われてしまい負のサイクルに……。

不安障害や摂食障害に悩むなか、ラジオが心の支えに

――当時はまだ、摂食障害の認知度も低かったですよね。

病気だと知らなかったので、病院にも行っていませんでした(撮影:今井康一)

小島:病気だと知らなかったので、病院にも行っていませんでした。食べたものを吐くなんて、恥ずかしい癖だと思っていました。その後結婚し、出産をしたら育児が忙しすぎて摂食障害はおさまりました。ただ、2人目を生んだとき、体力や免疫力が落ちてしまい、そんなタイミングで家族の問題が発生して今度は不安障害に……。

――今はだいぶ落ち着いてらっしゃるんですか?

小島:はい。もう13年経ちますが、ほぼ寛解している状態です。発症後すぐに通院し、投薬治療とカウンセリングを続けたらなんとか落ち着き、10年以上かけて回復してきました。

――小島さんが苦しんでいた時代は、まだ精神障害に対する偏見があったり、もちろん発達障害という概念も知られていなかったりした頃ですよね。そんな中で、どう乗り越えてこられたのでしょうか。

小島:ラジオが1つの大きな支えになっていたと思います。ラジオって、闘病中の人やうつ病で会社を休んでいる方など、いろんな方が聴いてくださっているんです。ラジオだから自分の悩みを打ち明けられるというリスナーもいました。身近な人にも話せないような話も、ラジオへの投稿なら打ち明けられるんですね。

つらい思いをしている人がこんなにいるのなら、何も隠す必要はないなと感じ、不安障害についてはラジオで自然と話すようになりました。でも、摂食障害について話せるようになったのは、それから2~3年経ってからですね。自分の中で「食べ吐き」という行為がすごく恥ずかしかったんです。「そんなのただの食いしん坊じゃん」って思われそうで。

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