高齢者を狙った「詐欺」が増え続けている事情 1件あたりの被害総額は230万円近くに上る

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特殊詐欺は平成22(2010)年以降、平成29(2017)年まで7年連続で増加し、中でも「オレオレ詐欺」は、東京や千葉、神奈川、埼玉や大阪などの大都市を中心に多くの被害が出ています。平成30(2018)年上半期に限ると、東京と神奈川の被害件数が大幅に増加。1件あたりの被害総額は230万円近くに(警察庁「平成30年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について」より)。

「オレオレ詐欺」は平成30(2018)年9月末現在、特殊詐欺件数の半分以上をしめ(警察庁調べ)、多くの対策が練られているにもかかわらず、今年度の被害総額も300億円を越えそうな勢いです。

現金を受け渡す、現金手交型は相変わらず多いものの、最近、特に増えているのが、キャッシュカード受け取り型の詐欺。カードそのものはお金ではありませんが、暗証番号を聞き出し、お金を引き出すというものです。

「カードが偽造・不正利用されている」「新しいカードとの変更が必要」「古いカードを預かりに行く」などといった文句でカードをだまし取り、被害者の85%が女性、そのうちの77%が65歳以上の高齢者であるというデータも(オレオレ詐欺全体でいうと、96%が65歳以上です!)。

■平成30年の手口別被害状況( 前年対比 )

(図:警察庁 警察白書)

 作り話で泣きついてくる

「オレオレ詐欺」は電話口で息子・孫などの家族になりすましてお金を要求してきます。

「会社の金を使い込んでしまった」
「電車(タクシー、病院など)でカバンを忘れたが、会社の小切手が入っていて、今日中に取引先に金を払わないといけない」
「浮気相手を妊娠させてしまった」
「株で失敗し、大損してしまった」
「交通事故を起こし、示談金を払わねばならない」
「借金の返済に追われている」

などという作り話で、「今すぐ、まとまったお金が必要だ!」と泣きついてきます。

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