高齢者を狙った「詐欺」が増え続けている事情 1件あたりの被害総額は230万円近くに上る
子ども世代が親に、孫世代が祖父母に対してできること、伝えておくといいことについて、具体的な事例をまとめました。
できること1:合言葉を作っておく
犯人は、同級生名簿などを入手して、住所や電話番号、家族(息子や孫など)の名前、同級生の名前、息子(や孫)が卒業した高校や大学名などを知っている可能性があります。そのような情報だけで信じないよう、結婚記念日、旅行の思い出、好物、嫌いな食べ物など、学校名簿、会員名簿などに公開していない事実を合言葉にして最初に確認しましょう。
・慌てていても簡単に思い出せること
・絶対に忘れない言葉やできごと
など、合言葉をあらかじめ、決めておいてください。
相手が、「慌てて忘れた」「そんなことより……」「今は、それどころではない」などと言って合言葉を言わないまま自分の言いたいことを優先させるときは、ためらわず電話を切りましょう。十中八九、「振り込め詐欺」と考えてかまいません。
できること2:折り返しの電話訓練を
「携帯電話をなくした」、「電話番号が変わった」と電話を受けたら、必ず元の携帯電話番号か、勤務先に確認の電話をかけるよう、一緒に訓練しましょう。その他、緊急時の連絡先として、本人の携帯電話番号はもちろんのこと、勤務先の電話番号や友人の連絡先なども把握しておき、いつでも確実に連絡が取れるようにしておくことも大切です。
また、「携帯電話の番号が変わった」と言われたら、すぐ元の電話番号にかけ直すように訓練します。実際にかけてみて、電話がつながらない、連絡先がわからないなどで、連絡が取れない場合は警察に相談してください。この他、警察や銀行協会等の官公庁や団体から電話があった場合、言われた電話番号をそのまま信じてしまうことなく、電話帳や電話番号案内(104)などで調べる習慣をつけるよう、伝えましょう。
できること3:留守番電話を活用する
常に「留守番電話」にセットしておき、電話がかかってきてもとりあえず「留守番電話」で受けるクセをつけましょう。そして先ほどの「合言葉」を言ってもらい、相手のことが確認できたら受話器を取ります。
また、「ご用件の方はお名前と用件をどうぞ。身内の方は合言葉をどうぞ。確認ができなければ電話には出ません」「振り込め詐欺対策として、お名前とご用件を確認しています。不審な電話はすぐに警察に通報します」などという留守番電話のメッセージを吹き込むのも効果的です。この他、一人暮らしの方は先に自分の名前を名乗るのはやめましょう。
できること4:ナンバーディスプレイ機能を活用する
電話をかけてきた相手の電話番号がわかるナンバーディスプレイサービスを利用しましょう。別途の契約が必要なので、くわしくは近くの電話会社で確認してください。