高齢者を狙った「詐欺」が増え続けている事情 1件あたりの被害総額は230万円近くに上る
振り込め詐欺にあいやすい人はどんな人でしょうか。
□うちの親は認知症ではない
□うちの親にはお金がない
□一緒に住んでいる
□よく連絡を取っている
□よく説明してある
振り込め詐欺は、親や祖父母のこんな気持ちにつけこんできます。
■息子や孫を思う親心は図りしれません
⇒犯人の電話を息子や孫からの電話と信じ込み、警察官が「これは詐欺です」と説明しても、お金を渡そうとする方が多くいます。
■官公署の名前で電話されると、信ぴょう性があります
⇒親に限らず、誰もが官公署の名前を出され、親切丁寧な応対であれば、信用して当たり前です。一方で、恫喝し、慌てさせるケースもあります。
■「犯罪行為に加担したかも!」「トラブルに巻き込まれたかも!」とあわてさせます
⇒犯人は、言葉巧みに不安感をあおり、「トラブルになってしまったかも!」とあわてさせます。そして、犯人の言葉を信じ込ませ、解決に乗り出させようとするのです。
郵便局で局員から使い道や振込先との関係を何度も聞かれたにもかかわらず、「話が大きくなると会社に知れてクビになっちゃうから、郵便局の人には余計なことを言わないで」と口止めされ、制止を聞かず強引に振り込んでしまった、などというケースも。
知っておきたい基礎知識
知識1:電話を詐欺対策バージョンに!
最近の電話機は、通話の前に「この通話は録音されます」などというメッセージが流れるものが多くあります。このメッセージが流れると、「録音されては困る」と、犯人はこわがって電話を切ります。
知識2:お金を渡すのは本人限定に!
お金を渡す相手がどんな人なのか、わかりません。警察官や弁護士を装っている可能性も大いにあります。いくら「緊急だ」と言われても、お金を必要としている本人(息子や孫など)以外には絶対にお金を渡してはいけません。
知識3:お金をレターパック、宅配便で送らない!
詐欺は、振り込みや手渡しだけではありません。「レターパックや宅配便で現金を送れ!」というのは100%詐欺です。
知識4:還付金などの返還手続きはATMではできない!
ATMで医療費や保険料の還付金は受けられません。万一、振り込まれるとしても、こちら側で操作する必要はなく、ただ待っていればいいのです。
知識5:還付金の支払いでATM操作を求めることはない!
還付金や過払いなどの返却は、手渡しか、相手からの銀行振込が原則で、金銭の受け取りに際して自身がATMの操作を求められることはありませんし、さらには自分の操作で他の口座から自分の口座へ資金を移すこともできません。中でも公的な機関が、還付金の返却を電話連絡したその場で行うことはありえず、書類を介して口座や金額を確認する手続きを経て、ようやく振込みが行われると知っておいてください。
知識6:警察官などが暗証番号を聞いたりしない!
警察官・銀行協会職員だけではなく、他人には絶対にキャッシュカードなどの暗証番号を教えてはいけません。そもそも、警察官などが暗証番号を聞くことはありません。
知識7:詐欺の手口を確認して!
だまされないためには詐欺のパターンをよく知っておくことが大切です。具体的な詐欺の手口をご両親に伝えてあげてください。