あえて「事実婚」を選んだ34歳男女の強い覚悟

日本の法律婚では「幸せになれない人」がいる

萌子さん「ただ、交際時から彼の考え方も聞いていたし、周囲にも事実婚の夫婦はいたので抵抗感もそれほどなかったんです。ですから、当初は賛成でも反対でもなく、子どもに不利益が出ないのでれば、事実婚でもいいかなと。それくらいの感覚でした」

現状の結婚制度は女性側に多くの対応を強いている(写真:OCEANS)

晋太朗さんは決して、法律婚の夫婦を否定しているわけではない。ただ、現行の日本の結婚制度に問題意識を持っており、ジャーナリストという職業柄もあって自身がそれを選ぶことにはどうしても抵抗感があったようだ。

晋太朗さん「現状の結婚制度は必ずしもすべての人を法的に守り幸せにできるスキームにはなっていないと思います。象徴的なのが夫婦別姓の問題。制度上は夫婦どちらかの姓に統一することになっており、家制度の名残のなかで、いまだに女性が男性側の姓を選択するケースが9割以上。それまで持っていたアイデンティティーが変化するなど、女性側に多くの対応を強いている状況といえます。これだけ女性の社会進出とか、男女平等をうたっているなか、結婚の制度そのものが男女不平等のままで、現代の価値観に必ずしもすべて合致しているとは言えない状況なんです。

また、LGBTの方々に対して最近ではパートナーシップ制度を認める動きが出てきていますが、これも法的に守られた『結婚』ではないため、法的な対応にも法律婚との違いがあったり、パートナー認証を受けるための手続きが難しかったりと不安もあります。法律は時代とともにアップデートしていかなければいけないはずなのに、いまだに古いままで時代に追い付いていないのは大きな問題ではないかなと考えています」

夫婦の証明よりも「フェアであること」を重視

とはいえ、法律婚により得られるさまざまな“権利”を放棄することに、まったく抵抗がなかったわけではないという。

事実婚では所得税の配偶者控除が受けられず、相続税の税率面でも法律婚の夫婦に比べて不利になる。さらには、住宅ローンを共有名義にできないなど、不都合な点は少なくない。

萌子さん「それに子どもが生まれるとなれば、なおさらふたりの意思だけで決められることでもありません。先ほど言ったように、子どもへの不利益は本当にないのか、また、事実婚とはいえ家族になるわけですから、お互いの両親へも納得のいく説明が必要です。そこで、まずは事実婚のメリットとデメリットを徹底的に調べることにしました」

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