「介護保険を作った男」が語る舞台裏のドラマ

壁に当たるたびに、「新しい主役」が現われた

介護保険制度が創設されるまでの紆余曲折や、導入に至った足跡を山崎史郎氏にインタビュー(写真:CORA/PIXTA)  
介護保険制度の創設に関わった当事者たちの手による全記録とも言える『新装版 介護保険制度史:基本構想から法施行まで』が刊行された。今回、編著者の1人であり、制度創設に深く関わった山崎史郎氏(現・駐リトアニア特命全権大使)にインタビューし、制度創設の背景や成立の経緯、さらには今後わが国の社会保障がどうあるべきかなどについて聞いた。なお、山崎氏の個人的な見解である。

介護保険制度の「建学の精神」

――山崎さんは、2000年にスタートした介護保険制度の創設に深く関わっていますね。

山崎:はい。1990年代に初めに介護保険構想の基礎になるプロジェクトに携わった後、1994年4月から厚生省(当時)の高齢者介護対策本部次長として介護保険制度の企画立案を行いました。その後、2000年度の制度の施行、さらに2005年の制度見直しを担当しました。基本構想時から振り返ると、十数年間、関わったことになりますね。

――『介護保険制度史』を執筆した趣旨を聞かせてください。

山崎:介護保険制度は、さまざまな経緯を経ながらも、今日、日本国民の老後生活を支える重要な仕組みとして、国民各層に広く定着してきています。

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そうしたなか、制度創設に関わった人たちの間で、日本の将来のためには介護保険制度の創設時にどのような議論が交わされ、また、いかなる政治的なプロセスによって制度が実現したかを記録に残しておくべきではないか、という話が持ち上がりました。

そこで、介護保険制度の通史を書こうということになりました。実際の執筆には、かなりの時間と労力を費やしました。客観的な内容にするという方針の下で、各人で執筆する部分を分担し合い、基本的には当時の第一次資料を基にして、それに文献や論文、新聞記事などの裏付けを取りながらの執筆作業でしたので。

記述は、1994~2000年の間の出来事が中心となっていますが、介護保険制度のいわば「建学の精神」を後世に伝えることができれば、という思いから書き上げています。

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