親にいくら貯金があれば介護離職して良いか

「介護で親と同居」は離婚リスクも高まる

最低限、2つの条件をクリアしていなければ介護離職は避けるべきです(写真:tomos / PIXTA)

介護離職をした場合、再就職までにかかる期間は、どれくらいだと見積もっていますか? この期間として統計的に最多となっているのは1年以上です(男性の38.5%、女性の52.2%)。1年以上も仕事から離れていて、条件のよい就職先が見つかると思いますか? 現実として、介護離職をしてから運よくあらたな職場を得たとしても、収入は男性で4割減、女性で半減するというデータがあります。

介護離職をするなら、まず、1年以上収入が途絶え、再就職できたとしても今の半分程度の年収になっても生きていけるだけの貯金が必要です。貯金が足りないまま介護離職をすれば、親が資産家でもない限り、あなたは生活保護を受給することになります。仮に自宅ローンが残っていれば、自宅を手放すことになり、一家離散という可能性も出てくるのです。

介護は終わりが見えないもの

介護は、いちどはじまると、いつ終わりになるか予想ができません。目安となるのは、平均寿命から健康寿命(心身健康でいられる年数)を引いた年数です。日本でこれは、10年以上になります。ですから介護生活は、少なくとも10年程度は続くことを想定しておく必要があります。

しかも、この期間のうちには、親の健康状態は悪化していくことも多いのです。はじめは半身不随などの身体的な問題だったところに、認知症(重度化すると意思の疎通ができなくなる)も重なってきたりします。

介護離職をして年収が半分になって10年も経つと、介護離職をしなかった場合からは想像もできないほど貧困になります。いつ終わるとも知れない介護に悩まされながら、金銭的にも厳しくなると介護離婚(介護を理由とした離婚)が発生することも多いようです。あなたの親は、自分の愛する子供が、自分の介護のせいで、そうした状態になることを本当に望んでいるでしょうか。

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