「住みよさランキング2017」トップ50 印西・砺波・長久手が今年もトップ3

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千葉県印西市を走る北総線の印旛日本医大駅(写真:popo / PIXTA)

東洋経済新報社が全国の都市を対象に毎年公表している「住みよさランキング」。最新となる2017年のランキング結果がまとまった。このうち上位50都市を紹介しよう(各都市のランキングの詳細については、『都市データパック2017年版』を参照)。

「住みよさランキング」は、公的統計をもとに、それぞれの市が持つ“都市力”を、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つのカテゴリーに分類し、ランク付けしたもの。ランキングの算出には15の統計指標を用いている。指標ごとに、平均値を50とする偏差値を算出、それらの平均値から上記5カテゴリーの部門評価および総合評価を算出している。

今回の対象は、2017年6月19日現在の814都市(全国791市と東京23区)で、全都市を対象としたランキングは24回目となる(2011年は、東日本大震災により非公表)。5つの観点と採用15指標、評価方法については文末参照。

印西(千葉)が6年連続トップ

今年の「住みよさランキング」総合評価1位は千葉県印西市、2位が富山県砺波市、3位が愛知県長久手市となった。2012年のランキングで1位となった印西市は、今回で6年連続の1位となった。

印西市は千葉県の北西部、東京都心から約40kmの位置にあり、3市にまたがる千葉ニュータウンの面積の過半を占める住宅都市。人口は2015年国勢調査で約9.2万人。東京と成田国際空港を結ぶ交通軸上にあり、2010年7月の成田スカイアクセス線の開業により、成田空港はもとより、東京都心や羽田空港へのアクセスも良好である。市内には多数の大型商業施設が進出し、また大学や企業の研究開発拠点、金融機関のデータセンター等も集積している。「利便度」の3位をはじめ、「快適度」12位、「富裕度」58位、「住居水準充実度」199位と5部門中4部門の評価が相対的に高く、今年もトップの座を譲らなかった。

なお、印西市は東京区部の20%通勤圏であり、補正の対象となる「人口当たり小売業年間商品販売額」の指標において、補正を実施(東京区部の数値を採用)している。

繰り返しになるが、印西市は今回で6年連続1位を達成した。その要因だが、まず、人口・世帯数が増加基調にあることが挙げられる(参照:「一般世帯数増加率トップ20」)。人口・世帯数が増加傾向にあれば、新設住宅着工戸数が増え、大型商業施設の新規出店計画も立てやすい。域内での消費が増えれば、地域経済は活性化し、税収増につながる。

『都市データパック2017年版』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。データ版はこちら

一方で人口・世帯数の増加率が高い都市でも東京区部のように人口密度が過度に高ければ、地価が高騰し、1住宅当たりの延べ床面積も限られる。また、沖縄の都市のように住民の年齢層が低ければ、所得水準や持ち家世帯比率も低くなる。つくばエクスプレス沿線都市のように、新線開業の影響から短期間で住民が急増すれば、病院・保育所・介護施設等の医療・福祉施設の供給が追いつかないこともある。

これらの都市は、安心度、富裕度、住居水準充実度のどれか2つ以上の部門の評価が悪くなる傾向がみられる。ところが、印西市は、安心度こそ635位だが、富裕度58位、住居水準充実度199位で、この2部門の評価がともに高い。若い世代の住民が増えて活気があるが、住民の所得水準は低くなく、比較的ゆとりをもって住宅を取得しやすい、このバランスのよさが、印西市の強さを支えていると考えられる。

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