政令指定都市とは、地方自治法において「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市である。
我が国には、住民に最も身近な行政を担う基礎自治体として1,718の市町村(2016年4月現在)があるが、政令指定都市は道府県に準じた行財政能力などを有する都市として、20市(2016年4月現在)が指定を受けており、その居住人口は日本全体の人口の約2割を占めている。
政令指定都市は都市圏を発展させる牽引役
政令指定都市は、基礎自治体として福祉やまちづくり、ごみ処理、義務教育、消防などの住民生活に密着した行政サービスを提供しているほか、人口や産業の集積に伴い必要となる道路や鉄軌道などの都市インフラの整備を図るとともに、上下水道やICT基盤整備など企業や事業者にも高い便益をもたらす行政サービスを提供している。
また、大学等の高等教育機関や地域の中核医療施設などの高度な都市機能の整備を行うとともに、観光振興や国際会議の開催により集客交流機能を高めるなど、様々な分野において、都市圏全体の活性化や発展のための牽引役としての役割を果たしている。
一方で、政令指定都市においては、人口や都市機能が集積していることに関連して、環境や安全安心の問題など、多種多様な都市的課題を抱え、これまでも課題解決に向けて、各都市の状況に即した施策を行ってきた。
今後も人口減少や異次元の高齢化など、新たに生じている課題に対して、先端的な課題解決手法を国内外に発信することにより、都市行政の最先端都市として全国をリードする役割が求められる。