言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点 子どもを叱る前に試したい2つのこと

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親の気分次第で、同じことも「いいとき」と「悪いとき」がある場合も同じことが言えます。

もちろんイレギュラーは存在しますが、まずは、子どもに一貫性をもって誠実に関わることを心がけてほしいと思います。

親が、子どもとの約束を守ることが、約束を守れる子どもを育てます。

当たり前に思う方も多いと思いますが、たとえば、

「今度のお休みに、公園に行こう」

「次に来たときに、お菓子を買ってあげる」

などの日常的な約束、きちんと守っているでしょうか。親からしたら何げない会話かもしれませんが、遂行されなければ子どもはひどく傷つきます。

週末の休みに、公園に連れて行ってあげたいなと思って発した言葉に偽りはないかと思うのですが、いざ週末になると面倒になってしまい適当に、「また今度ね」などと言ってはいないでしょうか。

大人には絶対にやらないことをしてしまう

実際に週末になってみたら「ひどく疲れている」「天候があまりよくない」「やらなければならないことができて物理的に難しい」などさまざまな状況の変化に見舞われることがあるかと思います。

そんなときには、子どもであったとしても約束を守れなかったことに対して、理由を伝えて謝る、また、場合によっては代案を出すなど、折り合える地点を見いだすことが必要です。他人の大人に対して絶対にやらないようなことを、自分の子どもになら平気で、しかも無意識の場合が多いのは問題です。子どもであったとしても、誠意をもって接することが重要なのです。そのためには、その場しのぎの安易な約束をしないことが大切です。

親が、子どもに対しての関わり方に一貫性を持ち、日常の小さな約束を守ることを徹底するだけで、子どもの親に対する信頼度は確実に上がります。結果的に安定した気持ちを育み「聞き分けがよく」なるのです。

そうすれば、親もイライラすることが減り、より一層ゆとりをもって、子どもに接することができる好循環を生みます。

ぜひ今日からの生活に取り入れていただき、健やかな親子関係を築く一助にしてください。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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