こうならないために大切なのが無条件に褒めることです。つまり、「頑張ったら」「ちゃんとできたら」「よい結果を出したら」「よい子にしたら」などの条件つきでない無条件の肯定です。言い換えると、その子の存在そのものを褒めることです。そして、実は、子どもが本当に親の愛情を実感するのは、自分の存在を無条件に丸ごと肯定されたときなのです。つまり、心の深いところではみんな次のように願っているのです。
「頑張れない自分も大切にしてほしい」「ちゃんとできない自分も許してほしい」「よい結果を出せない自分も愛してほしい」「ありのままの自分を肯定してほしい」「どんな自分も受け入れてほしい」
このような願いをかなえるのが無条件に褒める言葉、無条件な肯定です。具体的には、次のような言葉を贈ってあげてほしいのです。
あなたといると楽しい
あなたがいてくれるだけで幸せ
今日も一緒にいられてうれしい
あなたは私たちの宝物
生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ
ママとパパのところに生まれてくれてありがとう
あなたがいてくれて、ママもパパも本当に幸せ
おかえり。無事帰ってきてくれてよかった
また、子どもが自信をなくしているときや心が折れているときなど、もっと直截(ちょくせつ)に伝える必要があるときは、次のような言葉も”あり”です。
無条件に丸ごと肯定してもらえると、頑張れる
てきぱきできないあなたも大切な宝物
どんなことがあっても、パパとママはあなたの味方だよ
勉強が苦手でも関係ないよ。成績が上がらなくても関係ないよ。どんなあなたも大好きだよ
「そんなことを言うと、ますますやらなくなるのではないか」と心配する人もいると思いますが、決してそんなことはありません。親から無条件に丸ごと肯定してもらえると、子どもは心が安らかになります。そして、自分自身を肯定できるようになり、かえって頑張るエネルギーが湧いてくるのです。また、親の無条件の愛情を実感できている子は、兄弟や友達にも優しくなれて人間関係もよくなります。
ところが、日本人はこういう言葉を口に出すのが苦手です。欧米をはじめ諸外国の人たちより少ないように思います。ユニセフや内閣府などいろいろな機関が国際比較調査を行っていますが、日本の子どもたちの自己肯定感はいつも非常に低いということがわかっています。その原因の1つとして、親からの無条件な肯定が少ないということがあるのではないでしょうか。
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