最新カローラはゴルフにどれだけ迫ったのか 5ドアハッチバック世界王者と徹底比較

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一方、ハイブリッドはプリウスやC-HRよりも重さを感じさせないキビキビ系の乗り味が印象的だったが、驚きはブレーキのフィーリングで、回生協調ブレーキながら人間の感覚とマッチした自然でコントロールしやすい制御はマルだ。ただ、静粛性は定常走行ではかなりのレベルにきているが、加速時はガソリン車より騒音が気になるのが残念である。

一方、ゴルフは1.2L直噴ターボ(105馬力/175Nm)、1.4L直噴ターボ(140馬力/250Nm)の2タイプを用意。どちらもデュアルクラッチの7速DSGの組み合わせだ。1.2L直噴ターボはカローラ スポーツとほぼ同スペックだが、実用域の体感上の力強さはゴルフのほうが上で、1.4L直噴ターボだと余裕すら感じられるほど。ただ、どちらも滑らかに回るもののあくまでも黒子に徹した無味無臭なフィーリングと、ダイレクト感や変速スピードは今も一級。だが発進時/微速域は滑らかな走りの中で唯一ドライバーの意志とリンクしづらい。

豊富なバリエーション

ただ、ゴルフが圧倒的に勝るのはノーマルモデルに加えて2.0L直噴ターボ搭載のホットハッチ「GTI」、2.0L直噴ターボ+AWDのスポーツ&プレミアム「R」、さらにプラグインハイブリッドの「GTE」、EVの「eゴルフ」とバリエーションが豊富なことだ。カローラ スポーツは海外向けには2.0直噴NA、2.0L直噴NA+モーターの高出力版ハイブリッドも用意されるが、それだけではちょっと物足りない。それを踏まえるとスポーツコンバージョンモデル「GR/GRMN」はマストだろう。

フットワーク系だが、プラットフォームは4代目プリウスで採用されて以降、採用車種が増えているTNGA「GA-C」を採用。国内外で高い評価を得ているC-HRよりも低重心/軽量の基本諸元の良さに加えて、ステアリング剛性アップや新開発ショックアブソーバーやAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)、ACA(アクティブ・コーナー・アシスト)の新アイテムに加えて、プリウス/C-HRで得た知見を盛り込んだ “深化”や、世界5カ国での100万km近いテストにより、より高いレベルの走りを実現している。

ステアフィールはもはや電動なのか油圧なのかわからないくらいスムーズかつ自然でつながりもいいうえに、路面からの情報も必要なだけ的確に伝える。操舵力は比較的軽めだが、従来のトヨタ車のようなフワフワとした軽さではなく芯がある軽さである。

車体は非常にシッカリしているがドイツ系のようがガチっとした感じではない、剛の中に柔(=しなやかさ)がある印象だ。低い次元でバランスされていた従来モデルとは雲泥の差である。サスペンションのセットアップも絶妙の塩梅で、特にKYB製の新開発ショックアブソーバー装着車はスムーズなストローク、段差を乗り越える際のアタリ、ショックのいなし方なのはトヨタ車最良の足さばき。

コーナリングはロールを抑え込むのではなく上手にコントロールしている印象で、最終的には安定方向だがそこまでの過程はコントロールの楽しさ/操る喜びが適度に備わっている。16インチ(205/55R16)はヒラリと身をこなす身軽さ、18インチ(225/40R18)はドシッとした安心感が印象的だったが、どちらも決して熱血系ではないものの、「スポーティーさをさり気なく盛り込んだ走り」という意味では、初代のDNAをシッカリと継承しているのかもしれない。

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