西武・浅村は、なぜ打点王になれたのか? ライオンズの4番の「思い切り振る力」

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高校からプロに入った打者の多くは、相手投手のスピードボールや変化球のキレに驚かされるという。結果、「まずはバットにボールを当てなければ始まらない」と考え、パワーヒッターだった自分を封印し、アベレージヒッターとして生きる道を探る者も少なくない。たとえば、西武の栗山巧はそうしてレギュラーの座を勝ち取った。

だが、浅村は違った。2軍の試合で結果が出なくても、思い切り振ることにとことんこだわった。

「打てなくても、どんどん振っていくことでスイングの力もついてくると思っていました。先を見据えて、自分なりに考えてやっていましたね。プロ1年目で、まだ1軍の試合に出ていないのに、自分のスタイルを変える必要はないって。積極的に、自分を磨いていこうと思っていましたね。打てはしなかったけど、プロ入り1年目から満足のいくスイングができていました」

2年目の2010年に1軍デビューを飾ると、翌年は137試合に出場。12年は好不調の波が激しかったが、シーズン終盤には1番を任された。実戦を重ね、「経験と気持ちの余裕」を得たことが、13年の好成績につながったと自己分析している。

ただ、以前のようにガムシャラに振っていたわけではない。12年までは「来たボールを振る」というスタンスだったが、13年は「配球を考えるようになった」。

「考えるようになった理由は、結果を出したいから。打席で余裕がなかったら、配球を考えられないですからね」

投手心理を逆手にとる

一般的に、投手は最初のストライクを取るのが難しいという。その理由について、シアトル・マリナーズの岩隈久志は自著『投球革命』でこう語っている。

「どんなバッターであっても、初球の入り方は考えさせられます。なぜなら、そのバッターを判断する材料がないからです。もちろん、プロの場合は詳細な過去の対戦データがあるわけですが、その日のバッターの状態や、その打席に限った狙いまでは、実際に投げてみなければわかりません。手探りで投げるわけですから、当然、慎重になるわけです」

浅村は2013年、リーグ2位の得点圏打率3割5分9厘を記録した。チャンスで結果を残すことができたのは、この投手心理を逆利用したからだ。

「初球は狙い目だと思います。バッターからすれば、2ストライクに追い込まれると余裕もないですし、ファウルにしないといけないボールもある。めちゃめちゃ大きなスイングはできなくなりますしね。ピッチャーは追い込むまで必死に抑えにくるので、逆にボールが甘く来る場合もある。ましてや初球はどのピッチャーもストライクが欲しいと思うので、甘めに来たりします。そういうことを考えて、準備しています」

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