トレンドと一緒に廃れないエンジニアの条件 キャリアチェンジで生き残るのに必要な視点

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また、競合サービスやトレンドの行く先にも同じことが言えます。

「『LINE Pay』と『PayPay』のどっちがキャッシュレス決済の分野で勝つか」よりも、「日本や世界の決済の流れはキャッシュレスに傾くのか」という大きなタームで見る方が、安定した打率的で予測ができるはずです。

大雨の日に川の決壊場所を算出しなくても、高台にいれば安全です。もっと言えば、川に行かないだけで生存率は相当上がる。テクノロジーやトレンドの未来予想にも同じことが言えるのではないでしょうか。

“個”から離れなければ、大局は見えない

時代の変化に沿ったキャリアチェンジのポイントを2つ挙げましたが、結局はトライアルの回数を増やすことでしか打率は高まらないんだと思います。超大作のソフトを一発で作ろうとするより、毎日面白いコードを書いている人の方がヒットを出す打率は高いですよね。トライアルの回数が多ければ多いほど、平均化されてノイズや不確定要素が減り、予測もしやすくなる。自分自身の方向性や可能性も見えやすくなるでしょうし、こういう考え方ができること自体がバリューにもなります。

僕自身、もともと仮説を立てて検証するのが好きなんです。大学生のころから、「テクノロジーで生活や文化がどう変わるか」に強い興味があって、「この技術はどう使われ、普及するのか」というテーマは、今でも最も興味があることの一つ。世の中の事象に対して、「この後はこうなるのでは?」と可能性を想定する、思考実験を常日頃からしています。

何事も“個”に依った見方をすると、不確定要素が増え、ノイズはどんどん大きくなり、予測不能な世界に巻き込まれやすくなるものです。僕が結果的にうまいことキャリアチェンジができているのは、そもそもキャリアや職種に対する意識が希薄であることも大きいかもしれません。技術やサービス、エンジニアという職業も、全て“個”ですから、そこから離れて大きな流れを見ることが大切なのではないでしょうか。

(取材・文:上野真理子/構成・編集:天野夏海/撮影:竹井俊晴)

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『エンジニアtype』編集部

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