引退した岩政大樹の「オンリーワン」な生き方

タイ挑戦や下部移籍、異端のキャリアを構築

2018年に現役引退を表明したサッカー元日本代表の岩政大樹は新しい生き方を模索している(撮影:今 祥雄)

2010年南アフリカワールドカップ16強戦士の長谷部誠(現ドイツ・フランクフルト)、本田圭佑(オーストラリア・メルボルン)らがロシア大会で日本代表に区切りをつけた2018年末、南アのメンバーでパラグアイ戦(プレトリア)のPK失敗でも知られる駒野友一(J2・アビスパ福岡)が所属先から戦力外通告を受けた。

岡田武史監督(JFL・FC今治代表)から直々に要請を受け、統率役を務めた川口能活(J3・SC相模原)も現役を引退。

南アには赴かなかったものの、2009年JリーグMVPで同大会の代表にもあと一歩で滑り込みそうだった小笠原満男(J1・鹿島アントラーズ)も年末になって突如、ピッチから去ることを発表した。こうした数々の出来事を踏まえても、1つの時代が終焉を迎えつつある印象が強い。

同じタイミングで、南ア戦士の1人である岩政大樹(サッカー解説者)も現役を退く決断をした。

東京学芸大学から2004年に鹿島アントラーズ入りをしてから10シーズンを戦った後、タイ・プレミアリーグのBECテロ・サーサナ(現在の名称はポリス・テロFC)、J2のファジアーノ岡山、関東リーグ1部・東京ユナイテッドFCで合計5年間を過ごすというのは「異色のキャリア」にほかならない。

「オリジナルの生き方」が岩政の人生の基準

とりわけ、東京ユナイテッドでの2年間はコーチ兼任であったこともあり、解説者としてテレビやメディアにも数多く出演。2017年9月に出版した自著『PITCH LEVEL:例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』(ベストセラーズ刊)は「サッカー本大賞2018」にも輝くというマルチな活躍を見せた。

サッカー選手の単行本というのは、別に構成者を立てて執筆するケースがほとんどだが、彼の場合はすべての原稿を自ら執筆した。「俺、ライターの名刺作ろうかな」と真顔で言われた時には、ライター歴20年超の筆者も面食らったほどだ。

「『オリジナルの生き方をする』というのが僕の人生の基準なんです。自分にしかできないことを増やしながら、いくつかの選択肢を持ちつつ、状況を見極めていくということになるのでしょうね。本を書いたのもその1つです。あれは内容うんぬんより『自分で書いた』という価値が大きかった。『ナンバーワンじゃなく、オンリーワンを目指す』という生き方はこれからも変わらないと思います」

次ページ岩政の生きざまから感じる確固たる信念
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