新卒一括採用が「働かないオジサン」を生み出す!
下の図を見てもらえればわかるように、先ほど述べた新卒一括採用により、毎年毎年大量の入社者が続く。一方で、会社組織はピラミッド構造になっていて、上位職になるほどポストの数は先細りする。
昇進を続けてポストを獲得できる社員の数は、年次を経るにつれてますます減少するので、ピラミッド構造から脱落する社員が増えていく。その場にとどまろうとしても、次の世代が後ろから迫ってくるのである。
都市銀行で支店長を経験した元行員に、銀行で「働かないオジサン」の生まれる理由を聞いてみると、
「役職が上がるにつれてポストは減少し、元気のある後輩もいるので、どこかで権限のある役職から離れざるをえません。そのときにオジサンは、頑張ってもこれ以上は給料が増えない、出世もしないことを悟って、働かなくなるのです」
と説明してくれた。
毎年毎年、ところてん方式で社員が後ろから順繰りに押し出されてくる。そういう意味では、「働かないオジサン」を生み出す構造を形作っているのは、毎年の新卒一括採用とピラミッド型の会社組織であると言えそうだ。
欠員補充の中途採用が中心で、役員すら外部から登用することが普通である欧米の企業とはまったく異なるのである。
銀行の人事運用では、基本的に敗者復活がないというのも、毎年毎年、ポスト待ちの行員が行列をなして後ろに控えているので、行員のリカバリーを認める余裕がないと言えそうだ。
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