結局、人間はどうすれば「痩せられる」のか 激やせしてもリバウンドする人は少なくない
1960〜1970年代の写真を見ると、いつもはっとさせられることがある。服装でも髪型でもない。人々の体だ。やせている人があまりに多い。
1976年にアメリカの成人で肥満に分類されたのは15%だったが、今では40%近い。なぜこんなに体格が変わってしまったのか、本当にわかっている人はいない。
大抵の人は減量とリバウンドの繰り返し
科学者は現代の「肥満になりやすい環境」について、いろいろもっともらしいことを言ってきた。悪者にされたのは、たとえば身の回りの安いファストフードやおやつ、おいしくてクセになる商品を作る食品会社、1人前の分量が増えたことに、1日中何かしら食べている傾向といったものだ。
こうした要素の組み合わせが影響を及ぼしているとしても、多くの人がそれぞれの遺伝的素質の許す限界まで太っているのは何らかの環境要因のせいだ。昔も太っている人はいたが、これほど肥満が珍しくない時代はこれまでなかった。
医師から製薬会社、公衆衛生の当局者に、太った人たち自身まで、誰もが体重を正常値に戻し、そのまま維持する治療法の登場を望んでいるようなのに、なぜ誰も見つけられずにいるのだろう?
見つける努力が足りないのでは決してない。
食事療法や運動で減量に成功し、その後も体重を維持している人たちは確かにいる。だがそれは数少ない例外だ。大抵の人は、ダイエットとリバウンドという実り少なく挫折感ばかりが募るサイクルを繰り返して年月を過ごす。
ほぼ誰にでも同じような効果の望める治療法が1つだけあるが、悲しいほど活用されていない。この減量法の適応となるほど太った成人はアメリカの場合、2400万人もいるが、実際にこの治療を受けるのはその約1%にすぎない。