結局、人間はどうすれば「痩せられる」のか 激やせしてもリバウンドする人は少なくない

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「食べることは生存のためのメカニズムだと私は考えている」と、製薬大手が減量薬の開発を試みていた時期にバイエルやメルクで重役を務め、現在はコンサルタントとして活動しているジョン・アマトルダは言う。「どうしても食べる必要があるから、私たちの体は予備も含めた複数の複雑なシステムにつながれている」。

最近では、体にメスを入れずに肥満手術の効果だけを手にする治療法の開発に期待が持たれている。

肥満治療薬は効果がないか副作用が強い

肥満手術をすると、レプチンに限らず体内の多くのホルモンと信号のバランスが変わる。おまけに好みも変わる。以前ならガツガツ食べていたはずの高カロリーの食品を欲しがらなくなり、激しい飢えも感じなくなる人が多いのだ。

では、こうした効果を薬によってもたらすことはできないのだろうか? 多くの研究者が研究を続けているが、製薬会社の多くは本当に効果のある治療法などの開発は当面望めないと考え、肥満対策市場からすでに手を引いている。

減量に効果があるとして認可された薬もないわけではないが、ほとんど使われていない。アマトルダに言わせれば当然のことだ。肥満治療薬は大抵の人にはろくに効果が出ないか、深刻な副作用があるか、もしくはその両方だからだ。

ミシガン大学のシーリーはいつかいい薬が出ると楽観的だ。彼はマウスやラットに肥満手術を行い、その後に起きる生化学的な複雑な変化を解明しようとしている。

「いい手がかりは得ていると思う。だが、まだまだ先は長い」と彼は言う。

最近では、研究者たちは世間の人々が(太っている当事者も含め)さまざまな問題の原因を肥満に求めるのはやめることを願うようになった。

「これは食べる量を減らし運動を増やすべきだという考えだ。話はそう単純ではない」とアメリカ国立糖尿病・消化器・腎臓疾患研究所のホールは言う。

(執筆:Gina Kolata記者、翻訳:村井裕美)
© 2018 New York Times News Service

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