1919年生まれ「100年続いた」企業の顔ぶれ

2019年に周年記念を迎える企業は14万社超

50周年企業の誕生した1969年は「いざなぎ景気」の終盤になりますが、「いざなぎ景気」期間中、国民の所得水準の向上によって、いわゆる新・三種の神器といわれる車、エアコン、カラーテレビと呼ばれた耐久消費財の消費の大幅な伸びにより、日本経済は大きく拡大し、世界2位の経済大国となりました。

東名高速道路や西名阪自動車道の全線開通のほか、営団地下鉄千代田線(当時)や大阪市営地下鉄堺筋線(当時)が開通するなど交通インフラの整備も進みました。同年には石油会社のCMで使用された「オー、モーレツ」という言葉が流行語になりましたが、企業戦士としてがむしゃらに働くサラリーマンおよび全国の中小企業が、高度経済成長を支え、経済大国日本の礎を築いてきたといえるのではないでしょうか。

100周年企業の3割が製造業

さて、いよいよ最後は、創業から1世紀。1919年創業の「100周年企業」の紹介になります。総数は全国で1686社となり、10周年、30周年、50周年と比較すると、ぐっと少なくなります。

そのうち、上場企業は28社ですが、100周年企業ということだけあって、コンテナ船や自動車船など貨物船舶を運航する川崎汽船(東証1部)、デジタル一眼カメラほか、医療分野向けなどの精密機械を製造するオリンパス(東証1部)、送電・配電用碍子をはじめ、自動車の排ガス浄化用などのセラミック製品を製造する日本ガイシ(東証1部)、マヨネーズでおなじみの食品メーカー、キユーピー(東証1部)など多くの人に名の知られた有名企業が名を連ねています。

戦争、震災、バブル崩壊、リーマン・ショックなど数々の窮地を乗り越えてきただけに、危機をものともしないような各業界の優良企業が目立ちます。業種別に見ると、「製造業」が496社(構成比29.4%)で最も多く、全体の3割弱を占めたのが大きな特徴です。

今から約100年前の1919年は、第一次世界大戦の終結に関するパリ講和会議が開催され、日本も連合国として参加しました。国際的に認められ始める一方、当時まだ物質的に貧しかった日本は「欧米に追いつき追い越せ」との明治年間から続く、富国強兵・殖産興業の政策が、多数の製造業の創業を後押ししたといえるでしょう。

番外編になりますが、100周年以上の企業は?とお思いの読者もいらっしゃることでしょう。ちなみに150周年を迎える企業には百貨店の松屋(東証1部)があり、200周年企業には石塚硝子(東証1部、名証1部)、350周年企業には岡谷鋼機(名証1部)などがあります。

周年という節目は、創業から今日までの歩みを振り返るいい機会となります。また、周年という1つの区切りを迎えることは、蓄積されたブランドのイメージ向上においても好材料となるほか、記念行事やプロジェクトを計画、実行し、全社員が企業理念などを改めて共有することで、団結力を高める機会を創出する側面もあります。

「なぜあの企業は長く続いているのだろうか?」といったさまざまな周年企業の歴史や魅力、強みに触れることにより、経営やビジネス上のヒントが1つでも多く得られれば幸いです。

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