「保護猫の支援」がビジネス化する深刻理由 猫カフェ、猫付きシェアハウス、雑貨屋…
シェアハウスについては、5~7部屋という規模が多く、猫はすべての部屋に出入りが自由だ。数匹の猫を、住人全員で世話するという仕組みをとっている。キャットフードやトイレ砂などは、共益費に含む形でTCGが供給している。
TCGとしては、これらの物件が保護猫の一時的なシェルターとして利用できるメリットがある。また、猫と暮らした入居者が里親になり、退居するときに連れて行くケースも多いそうだ。このように、猫付き住宅という考え方を広めることで、猫の居場所を増やすことができると考えている。また、多頭飼育崩壊の受け入れ場所にもなっているそうだ。
ホームページ上で運営する情報ポータル「しっぽ不動産」を通じ、猫との暮らしを望む入居者と、賃貸住宅オーナーのマッチングも行っている。また、猫ドアやキャットウォークの設置など、猫が快適に暮らせるようなリフォームのアドバイスや管理業務も行う。
日本では猫を飼う環境が整っていない
マンション・シェアハウスなどを皮切りに、猫と人とが無理なく暮らせる仕組みを考え、適正な飼育者の増加を図るのが狙いだ。
「日本では、ペット可物件が全体の17%という調査結果もあります。このように猫を飼う環境が整っていないことが、捨て猫や野良猫が増える一因となっています」(山本氏)
なかでも公団住宅はペット不可とされているが、山本氏のこれまでの経験によると、多くの住人が内緒で飼っており、行政も黙認している実態がある。こうした住宅で飼い主が病気あるいは亡くなるなど、飼えなくなった際、また行き場のない猫が増えて、保護団体などに連絡が来ることとなる。
猫付きマンションは都内を中心に約80件、シェアハウスは都内に4件、大阪に1件が稼働中だ。
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