「保護猫の支援」がビジネス化する深刻理由

猫カフェ、猫付きシェアハウス、雑貨屋…

猫を救うための、同団体の活動も幅広い。シェルターのほか、これも日本初で猫付きマンション、猫付きシェアハウスを運営。猫グッズや猫トイレ砂、キャットフードなどの通販のほか、ビル1階にリサイクルショップも営む。NPO法人として初めて、ペット保険代理店の資格も取得している。

東京キャットガーディアン代表の山本葉子氏。シェルターの運営のほか、ショップ経営、猫付き不動産、ペット保険取り扱いなどさまざまな仕事を通じ、猫を助ける日々を送る(筆者撮影)

当然山本氏だけでは運営していけないので、シェルター運営のスタッフを8人、リサイクルショップの担当者2人、広報担当、経理担当、獣医師などを雇用する。手広く行う事業は黒字ではあるが、譲渡活動の面では、寄付を受けたりボランティアの協力も得ている状態だ。

なお、同団体のシェルターは猫カフェ型ではあるが、一般の猫カフェとは行政上の扱いが異なる。一般の猫カフェは(保護猫カフェであっても)、営利目的の第一種動物取扱業となる。猫を展示して飲み物料・入場料などを得るためだ。

一方、スカイシェルターの場合は営利を目的としない第二種動物取扱業として登録されている。シェルターを訪れる人には施設運営のための寄付をお願いしているが、入場料や飲食代などは設定されていない。第二種として登録した理由は、公の保護施設から受け入れる保護猫を扱うため。行政では、第一種動物取扱業者には動物を譲渡できない決まりだからだ。

猫と不動産を組み合わせた「猫付きマンション」

「寄付を受けているからには、数字を報告しなければならない」という山本氏の方針のもと、TCGのホームページでは猫の受け入れ数・譲渡数・死亡数を毎月掲載。活動開始した2002年以来、2018年9月までに譲渡した数は6500匹以上、避妊去勢手術数は8800匹以上にのぼる。

TCGの「猫つき物件」。キャットウォークが取り付けられている(写真:東京キャットガーディアン)

同団体の運営する事業のなかでも、ユニークなのが猫と不動産を組み合わせた「猫付きマンション」や「猫付きシェアハウス」である。「猫付きマンション」では、マンションの住人に猫を預かってもらう仕組みづくりを担当し、「猫付きシェアハウス」はフランチャイズ本部として広報・運営管理を一手に引き受けている。

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