「保護猫の支援」がビジネス化する深刻理由 猫カフェ、猫付きシェアハウス、雑貨屋…
現在、年に約3万5000匹(平成29年環境省調べ)の猫が殺処分されているが、同社は2022年2月22日までに、行政による殺処分をゼロにすることを目標として掲げている。
そのための活動は多岐にわたる。“自走型”保護猫カフェのほか、「ネコ市ネコ座」といったイベント、SNS、オリジナル商品の販売などだ。保護猫カフェは第1号店の岐阜店のほか、東京都内に3店舗、大阪、広島にそれぞれ1店舗を展開。また、オリジナルグッズ販売専用のストアも都内に1拠点、運営している。自走型と称するとおり、活動をビジネスとして成立させ、継続を目指すところに特徴がある。
猫の国という、テーマパークのような空間
そのため、同社では通常の保護猫カフェとは違う仕掛けも取り入れている。ネコリパの猫カフェを訪れる人は、“猫の共和国”に入国することになる。パスポートやビザが発行されるほか、保護猫のなかから大統領を選ぶ“大統領選挙”の選挙権をも与えられる。大統領はもちろん猫である。猫の国という、テーマパークのような空間だ。
ただし保護猫カフェなので、猫共和国の住民たちはお客の里子となってもらわれていくことが前提となっている。
ちなみにネコリパでは、自社で保護活動を行っているわけではなく、地域の保護団体と連携し、里親募集中の猫を預かる形で保護猫カフェを運営している。カフェではオリジナル商品を購入することもできる。猫用のペットグッズや、猫デザインの雑貨などだ。
「商品力を高めるため、商品開発には力を入れています。海外の商品を仕入れてくることもありますが、商品デザインはネコリパの活動に共感してくれるデザイナーにお願いしています」(河瀬氏)
一般の人にもアピールする商品をそろえており、2017年からはマルイでのポップアップストアを継続して展開している。
「ネコ市ネコ座」は猫グッズの販売や、保護猫にかかわる展示、保護猫譲渡会などが行われるイベントで、収益は保護猫活動にあてられる。開催は不定期で、規模も、協力企業の店舗内で行うものから、イベント会場を借り切って行うものまでさまざまだ。
2018年7月には東京ドームシティで3日間にわたり開催し、約6000人の来場者が訪れた。10月13日、14日には三重県にて開催。2019年2月には神戸での開催が予定されている。
ネコ市ネコ座では「市」=商品販売と、「座」=情報発信の場を併せ持っているところがポイント。東京ドームシティ開催回では、保護猫ボランティア団体が討議するサミットも行われた。ふだんは別々に活動している猫の保護団体同士が交流し、情報交換する場ともなっている。
ネコリパの特徴をもう1点付け加えるとすれば、クラウドファンディングを活用していることだ。
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