また、2018年6月から9月にかけて、ロックフェラーセンターのレインボー・ルームの一角を利用したポップアップバー「ローズバー」でも活躍。レインボー・ルームといえば、フランク・シナトラ、モハメッド・アリ、エリザベス・テーラーなどもライブをしたニューヨークの象徴的な場所だ。
さらに、タイムズスクエアでもパフォーマンス。その姿がニューヨークのイベント会社の目に止まり、2018年にフロリダのTampa Museum of Artで開催された草間彌生さんの展示「LOVE IS CALLING」のオープニング・パーティーにも呼ばれ、草間さんを模した指輪飴を作って大好評となった。
2018年12月には、ニューヨークに本社を置く大企業の年末ファミリーパーティーに呼ばれた。子どもだけで400人が参加。前日までに250本の飴を用意し、当日は150本を作成した。ニューヨークでの舞台は、確実に広がっているのだ。
今後の夢を尋ねると、「ニューヨークで開催されるファッションウィークやアニメコンベンションでパフォーマンスができたら楽しそう」と目を輝かせる。一方で、「ニューヨークで地道に暮らす一般人のストーリーを飴に再現することで、その人の人生にもスポットライトを当てたい」「飴細工の写真を使った子ども向けの本も出版したいし、教育にも携わりたい」と夢があふれる。
日本人であることを誇りに、飴を作り続ける
ニューヨークの魅力について、「美意識が高く、自立している人が多い。何より、明日生きられるかわからない状態で、必死に頑張っている人が多く励まされます」というCandy5さん。彼女は、ニューヨークで一旗揚げたいのだろうか。
「名声には興味がありません。2分間のパフォーマンスで、目の前の人を幸せにできる私は、すでに世界でいちばんラッキー。応援してくれる娘の存在があれば十分です。それに、邪念を持つとよい飴は作れません。浮世に流されることなく、ただ忠実に、目の前の人のために飴を作っていきたいですね」
最後に、こんな質問をしてみた。「Candy5さんは、日本の伝統を背負う飴細工職人なのか、それとも、世界で活躍する人種を超えたキャンディー・レディーなのか」と。意外な答えが返ってきた。「日本の職人文化の閉鎖性には疑問がありますが、伝統をつないでいるつもり。日本人が世界で果たせる役割は、日本特有のスピリチュアルな精神や、調和の心を広めることではないでしょうか。私は、日本人であることを誇りに、パフォーマンスを通して日本のマインドを伝えているつもりです」
「憧れは松尾芭蕉ですから」と笑うCandy5さん。旅をしながら、行く先々で感じたことを句に読んだ松尾芭蕉。ニューヨーク、そして世界を歩きながら一生、飴を作り続けていく。
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