「東大合格者」が使っていた参考書の共通点 受かる人はどうやって参考書を選ぶのか
桜子は、陽菜に参考書を1冊に絞ることを勧めました。資格取得などを目指している人にとっては、これは少し勇気のいる決断ではないでしょうか。
しかし、これは非常に効果的なアプローチです。以前、私は複数の東大生に、大学受験の勉強法や、使用していた教材についてインタビューしたことがあります。その結果、インタビューをした東大合格者の9割が、同じ英単語集を使っていたという事実が判明しました。
ライバルを出し抜くより、出し抜かれないことが重要
書店に行って受験参考書のコーナーを見れば、受験単語集は1つの棚が埋まるくらいさまざまなタイトルが出ています。にもかかわらず、あまりに皆が同じ本を挙げるので、正直びっくりしたくらいです(ちなみにそれは『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』という本です)。
資格試験の参考書を選ぶとき、こんなふうに考える人がいるかもしれません。「ライバルに差をつけ競争を勝ち抜くには、大多数と同じ教材を使っていてはダメなのではないだろうか!?」
一理あるように聞こえますが、実はそうではないのです。大学入試のように多数の志願者をふるいにかける試験や、毎回一定割合の合格者が出るテストでは、相対評価で採点されます。
そうした試験ではライバルを出し抜くことよりも、出し抜かれないことがより重要になってきます。そのほうが、相対的に順位が上がるのです。
たとえば、大多数が使う参考書Aには載ってないけれども、少数が使う参考書Bには載っている知識があるとします。そして、たまたまその知識がテストに出題された。Aを使っていた大多数の受験生は得点できず、Bを使っていた受験生だけが得点できます。
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